・后(きさき)兄弟・
兄と枕と私 1

和也
「何だここは?…俺は会社で仕事中だったはずだが……」
尚也
「ここは『SIMS2』というPCゲームの世界だな…。どうやら誰かの陰謀によってゲームの世界に送られてしまった様ですね」
和也
「尚也!?どうしてお前がここにっ、学校はどうした!?」
尚也
「いや、だから…」(今、言ったのに…。めんどくさいなぁ…)
和也
「いやいや、スマン。ちょっと錯乱してしまった。…それで、どうやったら元の世界に帰れるんだ?」
尚也
「知りませんよ」

和也
ガー――ン

和也
「なんて事だ……。企画書が…来週の会議……ブツブツ」
尚也
(ププッ…。兄さん、相変わらず真面目だなぁ)

尚也
「兄さん、そんなに深刻に考えたって、分からないものはどうしようもないさ」
和也
「しかし……」
尚也
「どうせなら思いがけず休暇がとれたくらいの気持ちで、この世界を楽しんだらどうだい?」

和也
(う〜ん、そう言われてもなぁ…。楽しむ…楽しむ……)
尚也
(兄さん……、変な顔)

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