きさき
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后兄弟
お年頃ですから ２０
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イブキ
「欠点の多い方ほど、他人に厳しくて、愚痴も多いですよね」
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シュリオン
「ああ〜…、なるほど。“同属嫌悪”だけにね…」
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イブキ
「はい。嫌悪するべき部分が、自分自身に多いですから。
人間は、自分に理解できる範疇でしか他人を見ることができませんからね。他人を蔑んでばか
りいる人は、裏を返せば、自分自身が他人に蔑まれるような精神構造をしているという事です。
ただ、この手の方は、自分が感じている嫌悪感が同属嫌悪による物だとは、毛ほども思って
いませんので、まずはそれに気付かせて差し上げるべきですね」
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シュリオン
「そっかー、気付かせてあげた方が良いんだ？」
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イブキ
「さあ？良いかどうかは知りませんが、その方がスッキリしませんか？」
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シュリオン
「あ…、そうね……；」
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尚也
「………」
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尚也
「アーロンというと、小さい頃からよく家に遊びに来ていた近所の子の一人だろう？
そんなに問題のある子なのか？」
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シュリオン
「問題って程でもないんだけどね。ちょっと、周りに不快感を与える事が多い人なんだ」
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イブキ
「彼の言葉から推測すると、どうも女性…、ひいては母親に対する嫌悪感が強いようです」
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尚也
「そうか…」
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汐瑠
「親子間に問題があると、人格形成にも影響が出やすいですからね…」
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尚也
「そうだな…。私はまだ面識がないのだが、どのような母親なんだろうな…」
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マリオン
「あ、僕知ってるよー。なんかちょっとエラそうな感じの人で、ママ仲間のあいだでも
評判良くないみたい。僕も、アーロンママに“無神経だ”って言われた事あるんだー」
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和也
「なんだって！？それは酷いな…」 かわいそうに…
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イブキ
「自分が無神経な方ほど、やたらと他人を無神経呼ばわりしたがるものです。
気になさらない方が良いですよ」
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シュリオン
「正に同属嫌悪ってやつだね」
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汐瑠
「無意識の自己防衛で、他人を先に攻撃する事で、自分自身の欠点から
周りや自分の目をそらそうとする行動ですね」
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尚也
「そんな事をしても、誤魔化せるのは自分だけで、他人の目は誤魔化せないんだがな…」
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マリオン
「そっかー。なんか、いつもバッチリ化粧してるからさ、化粧しないと外に出られないなんて
不便だなー、と思って『化粧するより整形したら？』って言ったら『無神経な人ね！』って
怒られちゃって、ビックリしちゃった」
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（そ…、それは…………）
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マリオン
「でも他のママ達からは、『シュリ君ママ、すご〜い！』って褒められちゃったよ」
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シュリオン
（アーロンママ、よっぽど嫌われてるな…）
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和也
（どっちもどっちだが、…女性って怖いな………）
そんな所も女の可愛さサ…。…と、思えてこそ真の男。
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