●依頼No.508 依頼者:ちえさん

薔薇を育てる病弱な兄と妹の悲恋ものについて

10年以上前に読んだのですが、タイトルも作家もわかりません(T_T)話は、主人公の女の子が、財産がらみかなんかのの殺人事件に巻き込まれ、その犯人探しの中で兄とは知らずに(?)お兄さんと
惹かれあうのですが、心臓の悪いお兄さんはラストで死んでしまいます。確か眠っている妹に兄がキスするシーンがあったと思います。お兄さんは薔薇が好きで、温室で育てていたような気がします。もしかするとタイトルにも「薔薇」ってついたかも…?

とっても悲しいお話で、子供の時立ち読みしながら泣きそうになった思い出があります。ずーーっと気になっていて、どうしてももう一度読んでみたいので、ちらっとでも心当たりがおありでしたら、教えてくださると嬉しいです。よろしくお願いします。

●数年前に「花とゆめ」に掲載された望月花梨さんの『とげ』ではないでしょうか? 詳しいないようはわからないのですが、妹は目が見えません。確か兄妹でキスするシーンがあったような。ただ、兄は火事で死んでしまうので、違うかもしれません。(リンリンさん・03/01/22)

●>リンリンさん
レスありがとうございます。どなたもご存じないかなー。とあきらめかけていたところだったので、嬉しいです。さっそくストーリー等調べてみたのですが、残念ながら違うようです…お兄さんは、火事でなくて、たしか持病の心臓病で死んでしまうんです。ホントに情報ありがとうございました。また何か心当たりありましたらお力お貸しくださいませ。 (ちえさん・03/01/27)

●この作品は船木美登利さんの『薔薇の殺意』です。手元にないので検索したら、1986年9月発行の単行本でした。講談社のロマンミステリーというシリーズにありますが、読了時、掲載誌や掲載月日がのっていないのを不思議に思ったことを覚えています。絶版ですが、古本は手に入りやすいようです。ただ、サイトによっては『バラの殺意』としていますが、正確には『薔薇の殺意』のはずなので、検索するときはご注意ください。私の知るかぎり、現在販売ルートにある船木作品はこれを含めて2冊なので、内容確認の際も情報が限られるかもしれません。そこで、ちえさんのお書きにならなかったことで、私の記憶にあることを加えておきます。

お話は、主人公の麻衣(まい)が瀬戸内にある小さな島へやってくるところから始まります。彼女は肩くらいまでのあっさりした髪型の16歳です。親をなくし、島の持ち主でもある天宮家の主にひきとられ、その孫である長男・生(せい)とひかれあっていきます。生には弟と妹がおり、温室で薔薇を育てていました。ただし白薔薇だけです。ですから、トーンを使用して色を表現した薔薇は、読者のご記憶にはないと思います。天宮家の当主のご機嫌伺いに親類が集まっている時期で、麻衣は半袖を着ていました。遺産相続がらみの連続殺人事件で被害者になるのは、主に主人公の婚約者候補たちでした。兄と妹のキスシーンも確かにあります。背中まであるストレートの黒髪の美弥(みや)は、実の兄である生を異性として愛しているのですが、ベッドに横になった彼女にキスを求められた生は、その額にキスしたと思います。生と麻衣とのキスシーンもありますが、それは戸外で彼女の意識がないときのことです。ラストで生の心臓が止まる場所は温室でした。

こちらの掲示板のことを知っていたら、もっと早くにご連絡できたのですが、発見したのが
2週間ほど前のことでした。利用のしかたもよくわかりませんが、取り急ぎ書きました。
ご依頼者と皆さんのお役にたてば幸いです。(ねこパンチさん・04/10/17)

●めぐみさんのお手間を増やすのが心苦しいのですが…。自己レスで、訂正をさせてください。本日、現物を確認してきました。タイトルは『バラの殺意』が正しい表記です。

人物名の「美弥」は、実は「美夜(みや)」でした。麻衣の髪も記憶よりは短めで、肩に届きません。
お恥ずかしいです。本当に申し訳ありません。でも『薔薇の殺意』でもかなりヒットする…不思議です。検索するときはご注意を、と改めてお願いいたします。(ねこパンチさん・04/10/21)