●依頼No.644 依頼者:すぅーさん

浦野千賀子・『さすらいのカレン』について

こんにちは。はじめまして。
是非長年の疑問にお答えいただけるとうれしいのですが。
作品は、浦野千賀子さん『さすらいのカレン』です。「別冊マーガレット」1971年4月号〜7月号掲載のお話ですが、7歳違いの姉から遠い昔にこの作品のことを聞き、ずっと気にかかっていました。(何せ連載当時私は幼少だったため、話を聞いた時点でかなりの年月が経っていました。)最近偶然その掲載号を手に入れる機会に恵まれ、早速届いた第1回目を読みましたが、当然この号だけでは今後の展開
やラストは全く不明でした。残りの「別マ」を読めるチャンスもそうないと思われますし、もしこの作品の内容をご存知でしたら是非おしえていただけないでしょうか?こちらでダメならもうなす術がありませんので、どうかよろしくお願いいたします。

●まだ見てますか?(紙魚図青春さん・03/10/20)

●久々におじゃまします。 「紙魚図青春」さま、この作品についてご存知でしょうか? 是非ともよろしくお願いいたします。(すぅーさん・03/10/28)

●見てた。

なのでレスをつけようと思ったのですが・・・。すみません書きこむ時間がないんです。 本当にごめんなさい。 休みにはいるとパソコンにさわれないので、休み明けの来週にはかならずレスをいれますので、それまですこし我慢してください。本当にごめんなさい。

「第1話 デュラン城の秘密! 前編」
 
国際密輸犯アキ、その正体は世界をまたにかける国際秘密警察員高見沢亜樹・通称さすらいのカレ
ン!!デュラン城に潜入したが、正体を見破られたアキの背にキャサリンの投げたナイフがつきささる!  <つづく> (紙魚図青春さん・03/10/29)

●「紙魚図青春」さま、早速のレスありがとうございます〜!正直ちょっと諦めかけていたのですが、本当にうれしいです。大変お忙しいところ恐れ入ります。勿論お手すきのときで結構ですので、よろしくお願いいたします。 第1話はまさにおっしゃる通りです! 何の前置きもなくいきなりストーリーが始まるので本当に第1回目?と思ってしまいましたが、きっと残りの3回で全ての謎が解けるのですね。今更ですが、紙魚図青春さまは素晴らしい知識をお持ちですね。それでは期待して待っています。(すぅーさん・03/10/29)

●休み時間にワードでペコペコうってます。 一日四十分ほどしか時間が使えません。 せめて第二話はお約束どおり今週中にどうにかしたいのですが、三話、四話は来週とかになってしまうかもしれません。

 毎日見にくると通信費とかもったいないので、十七日ぐらいに見ていただければどうにかなっていると
思います。たぶん・・・。

 ああっごめんなさい。

 で、 >きっと残りの3回で全ての謎が解けるのですね。

 すぅーさん、とてもとても期待しているところすみません。
 第二話で解けます。というか「デュラン城の秘密!」は前後編で完結します。
 第三話「殺し屋への入門」
 第四話「ハワイの休暇」
 で終わります。各話は続きません。

お姉さんとの思い出がこわれてしまうかもしれません。後編だけで止めときますか。読んでもガックリしませんか。それでも読みたい!!のならご遠慮いりません。 がんばって書きますよ。わたしも楽しいですし。人の謎がとけるのはうれしいことです。(紙魚図青春さん・03/11/04) 

●紙魚図青春さま、お約束通りのレスありがとうございました!貴重な休憩時間を回答にあてていただいているのですね。大変申し訳ございません。

私が姉から得たこの作品の情報は、『さすらいのカレン』というタイトル、『アタックNo.1』の浦野千賀子さ
んが作者、そして「スパイもの」の以上3点のみでしたが、当時の姉の「とにかくすごく面白かったので、もう一度読みたい!」という言葉がずっと気になっていました。もう四半世紀以上にはなると思います。 

掲載年月日がわかったのも、掲載号を入手できたことも全てここ1年ぐらいの話で、ここまでインターネットが普及しなければきっと今でも謎のままでしょう。

紙魚図青春さまのお話から想像するに、どうも私の思っていたイメージとは違っているようですね。しかしながらこのままでは勿論納得がいくわけもなく、私の中では、”私が死ぬまでにはなんとか最終回をお願いしますよ美内すずえさん!”ぐらいのレベルなので、構いません、どうか私に引導を渡してくださいませ。

時間や通信費はどうかお気になさらずに。 ちょくちょく覘かせて頂きますので。ご負担にならなければよいのですが…。

それでは、変らず期待して待っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 (すぅーさん・03/11/06)

●先週は無理でした。申しわけございません。 平身低頭。平謝りです。
「ガラスの仮面」レベルならば、と気合いをいれて打ちこみました。まだ第二話だけですが・・・。長くなってしまい、読みにくいところもあるかと思いますがお許しください。それでは引導への第一弾です。

デュラン城の奥深く ひそかに企てられる世界征服の陰謀とは!?
第一話 「デュラン城の秘密!」後編

ナイフをうけ倒れるカレン
  「キャサリン 今の音はなんだ」
  「ネズミです 大きなネズミ 聞いたことあるでしょう さすらいのカレンっていう」
  「なに! さすらいのカレン!? あの女が・・・」
  「わたしの短剣であっというまにあの世へ行ったわ うわさなんていいかげんなものよ」
  「ふふ イヌか」 カレンに近づくデュランの手下たち
その刹那、背の短剣をぬきとり手下どもを倒すカレン
そのまま車へ飛び乗り、乗りこんできたジャンとともに走り去る
  「うわさは本当だったようだ 短剣ぐらいでまいる女じゃなかったな」
  「・・・」

  「あの車には発信機が取りつけてある どこへ逃げようとムダだ
   それに警察にふみこまれたところで研究所はうつしてある」
  「細菌兵器も国際警察がかぎつけてきたとなると そろそろ終わりだな
   つぎのZ計画にうつらねばならぬ
   その前にカレンをかたづけておかなければな」

  「ジャン パパのことをどう思ってるの」
  「なんだか怖くなったみたいだ パパなにか悪いことをしてるんじゃないの」
  「・・・」

ホテルの部屋にもどりドアを開けると、それに気づき振り向きざまにカレンたちに銃口を向ける男が!
  「クロード!」
  「アキ・・・ よく無事で生きていたな やはりデュラン城は謎の病原菌の研究所だったのか」
  「なぜそのことを」
  「きみの部屋を調べさせてもらったよ 武器や無線機 きみは国際秘密警察官さすらいのカレン」
  「あなたこそ ドアの音ですぐピストルを構えることができるのは、訓練をつんだものだけよ」
彼はただの画学生ではなかった。
カレンと同じく国際秘密警察員であり、デュラン城の細菌研究所を調査していたのだ
  「ぼくもデュラン城が怪しいとにらんでいたところへきみの誘拐事件だ そのとき もしやと思ったんだ
よ その子はロベール・デュランの子どもだな 父親がどんなことをしているか知っているのか」
  「うすうすね」
ジャンに父親の悪事について話すカレン  
  「パパは本当はいいひとなんだ ママが死んでかわっちゃたんだ
   警察に行ったらもとのパパにもどるんだね」
  「そうよ」
突然開くドア
  「そうはいかん」
そこには発信機によりさしむけられた追っ手たちが!
   ズキューン ズキュ−ン
追っ手を撃つカレンとクロード 助けをこう残った男
  「ゆるさないわ」
引き金をひくカレン
  「なにも殺さなくとも・・・ 相手は銃をすて助けてくれと言っているんだぞ」
  「一瞬の同情が死を招くことぐらい あなたも知っているでしょう」
  「知っているさ しかし殺さなくても警察に引き渡すなりどうにでもなる」
  「わたしは任務に命を賭けているのよ あそびやものずきでやっているんじゃないわ」
  「ぼくたちは正義のためにやっている だがそれ以前に人間だ
   血もかよっていれば情もある」
  「たんなる義侠心を正義感というなら大まちがいよ
   そんなもの何の役にもたたないわ わたしに言わせればくだらない感傷にすぎないわ
許せない悪をたたきつぶす たとえ身内であっても同情は許せない それが私の正義よ」
「その任務のためには、いつわりの恋もするのか」

クロードはつづける
  「ぼくらはたがいに身分をかくしていた しかし二人でいっしょにすごした時間 
   モンマルトルで愛を告白したあのときの僕は任務をわすれていた そして今も・・・
   きみぐらいの年頃の女の子はみんな恋をし、青春を楽しんでいる なにがきみをそんなふうにさせ
るんだ」
  「わたしは七年前までは親子四人のありふれた家庭でしあわせに暮らしていた
   それが ある日突然 殺し屋がやってきた 父が警察の仕事をしているというだけで・・・
   生き残ったのはわたしだけ その時からわたしの青春はなくなり
   そういう組織をたたきつぶそうという気持ちだけになったわ・・・
   さっきわたしが殺した追っ手 あなたは殺さなくてもいいと言ったわね
   たしかに拳銃はすてたわ でも見て 口の中のふくみ針を わたしたちがやられていたかもしれな
いのよ」
  「・・・」

   細菌工場だったことを本部へ連絡し 黒川博士を救出する指令をうけるカレン
  「デュラン城へ行くのは自殺行為だ」
  「かもしれない でもそういう任務をなんどもやってきたのよ」

  「連絡がないということは やつらはカレンにやられたようですな」
  「ところでマシュー君 Z作戦の新しい細菌のすすみぐあいはどうだね」
  「生体実験はすすんでいます
   この実験が成功すれば大金持ちになれることはまちがいありませんよ」
  「黒川博士が公害病防止の研究をかくれてやっていたとは気づかなかった
   それを完成させ 我々の研究がすすんでいないことには腹が立ったが
   まさかそれがZ作戦につながるとはな・・・」
 ドォーーーン
  「なんだあの音は!」
  「カレンでしょう 死をかくごで博士を助けにきたか
   ふふ さがす手間がはぶけた よくきてくれましたよ」
爆発をおこしそのすきにデュラン城へ潜入し博士をさがすカレン
足をふみいれた部屋にはベッドに横たわる人々が
  「この病人たちは例の細菌かしら」
うしろで開くドア 身をかくすカレン

 これが新しい細菌Z作戦の生体実験です
   公害病そっくりになるのはもうひといきです
   黒川博士も公害病防止薬を発明したぐらいですからその逆に
   公害病とまったく同じ細菌をつくることも可能なはず そしてこれが成功し
   世界中にこの細菌をばらまけば公害病で全世界が苦しむ
   そこで博士の防止薬を売れば わたしたちの前に金は山と積まれることになる」
  「なるほど 君もそうとうな悪人だな」
  「さあ そこにいるんだろうカレン
   いいかげんに出てきたらどうだ 最初からわかっていたんだよ」
  「!」 とび出しざま銃をかまえるカレン
   ガァーン
  「まえに言ったはずだ わたしは銃の名手だとな
   殺すことはいつでもできる 博士の研究を急がすため利用させてもらおう」 

  「ロベールさん ジャンのことをどう思っているの」
  「ジャンはなにも知らん きみが心配する必要はない」
  「ジャンはすべて知っているわ 昔のパパにもどってくれるのをまってるんです」
  「・・・ 妻が死んだあと私はなにかにうちこみたかった
   この細菌も世界をあっといわせたいだけだった」
「ロベールさんいまさらなにを」 あせるマシュー 
「ジャン・・・」

拷問をうけるカレンを博士に見せて脅すマシュー
  「彼女を生かすも殺すも博士しだい 一週間以内に細菌を完成させるんだ」
  「やめろ・・・わかった」
  「おねがいしますよ博士  おい二人を見張っているんだ 油断するな」
部屋を出るマシューたち
すると見張りのうしろの床から男が飛び出し見張りを倒す
城へつながる地下道をとおりクロードが助けにきたのだ
  「助かったわ ジャンはどうしたの」
  「かたがつくまで、ジャンのおばさんにあずけてきたよ」
開くドア そこにいたのはロベールだった

 「そうか 礼をいう わたしはやっとめざめた わたしはジャンのことをわすれていた
   ジャンのために警察に行き すべてを話すことにするよ
   うっ!」
とつぜん倒れるロベール その背にはキャサリンの短剣が!
  「こんなことになると思っていたわ もどってきて正解だったようね
カレン あんたにも死んでもらうわ」  ふりあげられた短剣
とっさにロベールの短剣をぬきとり キャサリンに投げかえすカレン
その短剣が胸に刺さり倒れるキャサリン

黒川博士をつれ地下道から逃げるようクロードに告げる
  「わたしがおとりになっているうちにはやく 同情は禁物よ」
走るカレン 追いつめる追っ手
地下道の存在に気づき クロードと博士を追うマシュー
追われるカレン
  「これを使うしかないわね 最後の武器コンパクト手榴弾」
ドグァーーン
   
  「博士ここまでくれば大丈夫です」
  「しかし わたしを助けてもわたしは悪人の手伝いをした・・・」
  「それはやつらにむりやりやらされたものです
   博士は世界にとっても必要な人です」
  「いや わたしたちにとってこそ必要なのだよ」
追ってきたマシューが銃をむける
 ドガァーン
手を撃たれるクロード
  「あっさりとは殺さん つぎは耳だ」
 キキーッ
そこへ一台の車が!

  「カレン! 生きていたのか 今度こそ心臓をぶちぬいてやる」
   「あまくみないで 向きあえば互角よ」
   「生意気な!」
 ガァーーン バヒィーーン
 なりひびく二つの銃声
   「博士!」
 叫ぶカレン
 わが身を盾に、カレンのため銃弾をうける黒川博士
   「むりやりとはいえわたしは多くの人にめいわくをかけた これでいいんだ
     マシューくん これがわたしのせいいっぱいのていこうだ ふふふ・・・」
   「なんてことだ・・・
大金持ちになるのも 目の前だったのに・・・」
 倒れるマシューのひたいには、カレンの弾丸が命中していた

   「生きていてよかった」
   「クロード せめて別れのときは握手して別れましょう」
   「またいつかあおう」
   「ええ おたがい命があればね」
   「さようなら」
   「さようなら」

     ふりむきもせず去っていく・・・ むりをしているんだカレンは・・・
     いま きみはその仕事に後悔している
     ぼくにはそれがよくわかるよ・・・

      クロード わたしをつめたい女と思うでしょうね
      でも これでいいんだわ
      わたしは明日をも知れない命
      つぎの指令がまっているわ
    
      さようなら 

      クロード・・・・・・

スパイには恋も・・・涙さえもゆるされない・・・・・・ (紙魚図青春さん・03/11/10)

●紙魚図青春さま、ありがとうございます〜!!こんなに詳しくおしえて頂けるとは思いも寄りませんでした。これはもう1本の戯曲と言っていいでしょう!北島マヤに一人芝居してほしいほど完璧に仕上がっていますね。第1回を読んでいるだけに、登場人物もわかっていることが余計にリアルさを増します。

現時点では私の感想などは余計です。ただ、大変重くて壮大なテーマなのに、否が応でも感じるこの胡散臭さは…?いやいや、これからカレンの過去や彼女の思いが語られるのでしょう。
そうなると物語の厚みも増すというものですし。まだまだ期待感バッチリです!?

しかしながら、私は何か大変なことをお願いしてしまったのかもしれません…。でもこうなるともう恐いもの見たさのほうが独走状態です。

お時間はかかっても全然構いませんので、最後までぜひとも宜しくお願いいたします。(すぅーさん・03/11/11)

●私が使わせてもらっていたパソコンがおかしくなり持って行かれてしまいました。運が悪ければハードディスクがおかしくなっている可能性もあるとのこと。せっかく打ちこんでたあれは・・・。すべてデスクトップに保存していたため、最悪なことになってしまいました。どういう具合なのかまだわかりませんが、ハードディスクがおかしくなっていた場合、意地でも続きを書きなおしますので、「クリスマスプレゼント」とか「お年玉」とかになってしまうかもしれません・・・。うぅ 本当にすみません・・・。   ショボーン(紙魚図青春さん・03/11/21) すみません。

●紙魚図青春さま、いつもありがとうございます。

 PC、大変なことにおなりなのですね。『さすらいのカレン』のために費やされた貴重な時間は勿論ですが、お仕事に関することも全て…お察しします。 この年齢になって、X'masプレゼントやお年玉を頂けるとは、有り難いことです。楽しみは後にとっておくのもまた一興、見つけた時の喜びも倍増するというものです。ワクワクしてお待ちすることにいたします…。 (すぅーさん・03/11/21)

● データは一部をのぞき無事でした。
 前回の訂正
 >第二話 「デュラン城の秘密!」後編
   →第一話
あとどこか日本語がおかしいところがありましたが、なかったことに。

                   (※UP時に修正させていただきました。管理人)

これが主人公のカレン。ものすごくおもしろそうです。

犯罪都市香港にのりこんだカレンを待っていた怪事件とは・・・!?
 第二話 「殺し屋への入門」

「まてーっ 止まらんとうつぞ!」
警察に追われる一人の少女 銃を撃ちながら必死に逃げきる
その少女の腕をつかむ一人の男が
  「心配しなくても警察じゃない いっしょにきてくれ」
  「あたしになんのようなの?」
  「だまってついてくればいい」
少女を乗せ謎のサングラスの男は車を走らせる
  「きみの名は桜木ユミ 日本で罪をおかし警察に追われこの香港へ逃げてきた」
  「なぜ知っているの」
  「日本へ問いあわせてすべて調査ずみだ どこで銃の使い方を習ったんだ?」
  「見よう見まねです 自分を守るため自然に覚えただけです」
  「その腕を見込んだんだ どうだ どでかい金をつかみたくはないか?」
  「そりゃほしいわ」
  「それだけの金をつかむには命をはる! それでも承知か?」
  「もちろんよ」
とあるアパートに連れてこられ部屋に案内される
  「いったい私はなにをするの」
  「殺し屋だ わたしはその教官 団五郎 みこみのあるものを殺し屋にきたえるのが役目だ
このアパートはその養成所 現在100人の養成者がいる」
次に地下の訓練所へ案内される
  「ここにいろんな銃がある きみの使いたいものを取ってみたまえ」
  「それなら とこれがいいわ」
  「よし それでは前方に的が現れたらうつんだ」
  「ハイッ」
 ガヒューン ガヒューン バスッ バスッ
  「・・・・・・!!」
  「こんなものかるいかるい」
  「それでどうだ いけるかね」
  「まちがいなしです 千人いや一万人にひとりという大物ですよ」
  「きみがいうならまちがいない ちかく大仕事がある それに腕利きが必要だ きみがほれこんだユミという女に電撃うちをマスターさせるんだ」
  「それは・・・・・・」
  「あれはきみ以外にはできないといいたんだろう だがそれをマスターさせるのがきみの役目だ」
  「わかりました かならず」

ユミの部屋をノックする音
  「はい あっ 教官」
  「用はないんだが ここへ入ったお祝いとして食事でもどうかね」
レストランで食事を楽しむふたり
  「教官はなぜこんな仕事をするようになったの?」
  「せっかくの食事だそんな話はよそう それにきみは明日から音をあげるハードトレーニングだから
な」
  「たかが銃の練習にハードトレーニングなんですか?」
  「きみに最もむずかしい技術をマスターさせるためにな・・・」
不安な表情をうかべるユミ
  「新入部員に親切すぎるんじゃなくって」
  「蘭!」
  「あなたね桜木ユミっていう日本人は」
  「はい」
  「・・・・・・ごゆっくり」
  「・・・」
  「あの人は教官の恋人ですか」
  「なぜ?」
  「そんな気がしただけです」
  「彼女も腕利きの部員だ 恋人かどうかはわたしにはわからない」

  「わたしの仕事はいつですか」
  「一週間後 相手は大物アメリカ情報部の腕利き三人を消すことだ」
  「さっき言ってた最もむずかしい技って電撃うちのことですか?」
  「なぜそれを知っている!?」
  「わたしの仲間に ある夜日本で秘密警察員らしい三人の男が 一人の殺し屋に一瞬にして撃ち殺
された現場を見た者がいるんです その時間はわずか一秒 そしてその殺し屋が言っていた言葉が電
撃うちだったとか・・・・・・」
  「そうか見た者がいたのか・・・・・・」

訓練をうけるユミ
  「だめだ!! もっと返しを早くするんだ!! もう一度!!」
 ガァーン ガァーン ガァーン
  「だいぶ早くなったが実戦では使えんな 今日はこれぐらいにしておこう
   いよいよ明後日アメリカ情報部員がやってくる それまでに五本の指を自在に使えるよう特訓する
んだ 銃をかるく感じることができればマスターしたも同然だ たのむぞ」
  「はい」

特訓後、ある部屋を物色するユミ そこへ蘭があらわれる
  「ここは教官の部屋よ あなたは二階でしょ 教官のなにをさがしているの」
  「わ、わたしは・・・・・・ 教官に好きな人がいるかと・・・」
  「好きな人がいることと部屋を物色するのとどういう関係があるの?」
  「つまり その・・・ ラブレターのようなものがないかと・・・」
  「ラブレターね うそをつくならもっとうまくついたらどう あなたがさがしているのはこれでしょ」
  「!!」
  「香港殺し屋養成所のメンバーがのっているリスト あなたがのどからほしいいものでしょ
   あなたが誰なのかとっくにわかっているのよカレン」
  「!」
戻ってきた団はドアの向こうで二人の話を聞いてしまう
  「人違いよ わたしはそんな大それた人間じゃないわ」
  「ふふふ あなたのバッグからこの時計型の無線機が出てきたわ これを使っているのは日本の国
際秘密警察だけ
   そして うかびあがってきたのがあなた さすらいのカレン」
  「さすがに女の勘はするどいわ 察しのとおり わたしはリストをうばう指令をうけてきたのよ
香港の殺し屋は世界各国に根をはり 依頼を受ければ必ず目的を果たす恐ろしい組織よ その組織が
ある以上わたしたち国際秘密警察員の犠牲者はあとをたたない
でも あなたが持っているそのリストがあれば一網打尽に逮捕できるわ」
  「それはこれを奪って日本へ帰れればの話 ここから生きて逃げることはできないわ」
 ガチャ  ドアを開け団が入ってくる
  「団さん」
  「団さん わたしのにらんだとおりこの日本娘は国際秘密警察のカレンよ かわいそうだからあなたに殺してとは言わないわ」
部屋に入ってくる男たち
  「腕利きさすらいのカレンも この養成所の優秀な生徒三人が相手ではどうすることもできないでし
ょ」
そのとき団はカレンに銃を投げた
  「団さんそれはどういうこと」
  「武士の情けだ 君たちも腕利きなら銃くらい持たしてやってもいいだろう」
  「銃を持っていても同じことだ 三人一度にはやれはしないからな」
カレンに銃を向ける部員たち!

 ドギューン  ぐっ!  ガウィーン ガウィーン
  「電撃うち!? 団さん以外はできないのにいつの間に!」
  「国際秘密警察員A級ライセンスを取るにはこれができなければならないのよ
   わたしはあなたを憎んではいないわ ただ これが義務なのよ」
  「ところがこっちは憎んでいるのよ!」
蘭の指輪から飛び出した液体がカレンの目を襲った
  「目が・・・・・・」
  「これでわたしは十人の強敵を倒してきたのよ」 カレンに銃を向ける蘭
 ガウィィィーーン
  「団さん・・・・・・ それほどまでにこのカレンを・・・・・・」
  「蘭ゆるしてくれ こうする以外なかったんだ カレンを死なせたくはなかった・・・」
団に撃たれ倒れる蘭
  「団さん なぜわたしを・・・」
  「それより リストを奪った君を秘密警察はどこで救出することになっているんだ」
  「九竜郊外の教会前の丘です」
  「そこまで俺が送ろう 蘭の目潰しは強力だ 24時間で元に戻るがそれまではめくら同然だ さすが
の君もめくらではどうしようもないだろ ここを出てそこまで車でぶっとばす」
  「そのあとあなたは・・・」
  「殺されるかもしれん しかしそれでもかまわん 悔いはないよ」
  「・・・・・・」
  「あのエレベーターに乗ってしまえば大丈夫だ」
リリリリリリーーーーン  鳴り響く警報!!
  「気付かれたか! 走るんだカレン!」
  「逃がすな!!」
 ガアァァーン ドキューーン ガアァァ――ン  二人を狙う殺し屋の弾丸!
 ドキューン ドキューン ドキューン
崩れさる殺し屋たち! 閉じるエレベーターの扉! 団の電撃うちが火をふいた!!

車をとばす団 しかしその様子が・・・
  「団さんどうしたんですか もしかして」
  「ああ 右わき腹に二発の弾丸が入っている」
  「ええっ!!」
  「心配するな 九竜までは死にはしない  ん やはり来たな」
バックミラーにうつる追っ手の車
  「教官であろうと逃がすな カレンともども殺せ!」
  「あたしがタイヤを撃つわ 教官 目標をおしえてください」
  「よし やれるかどうかわからんがやってみよう   もっと右 そうだ そこだ!」
 ガウィィィィーーーーン
 うわっ!! キキィーーーーッ  タイヤを撃たれ木に激突する追っ手の車
  「や やった みごとだぞ!」

逃げ切ったカレンと団
  「つ、ついたぞ ここが連絡場所だ  グッ ゲホッ」

血を吐き倒れる団
  「団さん!! もうしばらくすると ここから飛行機がわたしたちを運んでくれるわ それまでがんばっ
て」
  「いいんだ・・・ 助かったとしても死刑がまっているだけだ」
  「な、なぜこんな仕事をするようになったの・・・」
  「金さ しがないサラリーマンが射撃にとりつかれ オリンピックにまで出たのがやみつき その腕を
買われこの道にはいった・・・
   おれは君が好きだった・・・
   しかし殺し屋と刑事ではどうしようもないからな せめて君のために死ねるのが本望だ」
  「死んじゃだめよ 祖国である日本へ帰れば」
  「同じさ・・・ それに敵がやってきたようだ」
  「えっ!」
丘の向こうに殺し屋たちの影が!
  「相手は何人ですか?」
  「五人だ せっかくここまできたがもうだめだ」
  「わたしのこの目さえ見えれば・・・」
  「いまの俺がやれるのはせいぜい二人 それ以上はむりだ・・・    そうだ ジャイロロケット銃!」
トランクから何かを取り出す団
  「カレンこれを使うんだ これはジャイロロケット銃といって俺が考えたものだ まだ使ったことはない
がな」
  「ジャイロロケット銃といえば強力な火薬を使っていて 一発で数人を倒す銃だと聞いたことがある
わ」

 眼前までやって来た殺し屋たち
  「教官 あんたが裏切るとは思わなかったぜ 今まであんたに銃を教わったがそれを返す結果になった これを日本じゃ恩返しというんでしたかね
   ふふ めくらと体がうごかないのを相手にするとは 我々の腕も泣くというものだ 死にな!」
  「地獄へ行くのはあなたたちよ」
  「なんだと!」
 ガヴィ──ン  グバッ!!!  ギャ−!   ジャイロロケット銃が炸裂三人が吹っ飛ぶ!!
 ドヒュ――ン ドヒュ──ン   うわッ! ぐはっ!

  「・・・これで君の任務も終わったようだな どうやら俺のがんばりもここまでみたいだ」
  「団さん!」
  「カレンあんまりむちゃするな・・・・・・」

  「あたし なんだかお兄さんのような気がしてたんです
   もともとこんな道にはいる人じゃなかったのに・・・・・・

   なぜ こんなことに・・・・・・」

夕焼けにそまる空の彼方 そこには迎えの機影がうかぶ・・・・・・

                   ゴオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー

(紙魚図青春さん・03/11/25)

●ひさしぶりの休暇をハワイですごすカレン。だが・・・!?
第三話 「ハワイの休暇」

ピ─ピ─ピ─
ハワイの砂浜に鳴る発信機の音
パチン
少女の指は発信機のスイッチをOFFへ
  「どんな事件があろうと私には関係ないわ あたしだって花も実もある年頃 たまには青春を楽しみたいもんね
   今になってクロードが言ったことを思い出すわ そして それが本当のような気がしてきた
   国際秘密警察員だって人間よ この一週間の休暇は非情な掟ともさすらいのカレンともしばらくお
別れして自由を楽しむわ さあて ひと泳ぎしてくるか」
そこへ警官が・・・
  「ついに見つけたぞ怪盗X!」
  「ひとちがいよ わたしは北見沢という日本人よ」
  「そんなことは警察に行って言うんだな もう逃がさんぞ 銀行から10万ドルを盗んだ犯人もお前だ
とわかっているんだ 逃げてもムダだ」
  <こまったわ あたしが国際秘密警察員だということは たとえ警察にでも知られてはいけないことになっているし・・・ それにこんなことでせっかくの休暇をつぶされるのはまっぴらよ>
  「わかったわ 服を着替えてくるわ」
  「はやくしろ 逃げても無駄だぞ」
警官に連れていかれるカレン だが
  「乗れミッチ!」
突然、男に腕をつかまれ止まっていた車に連れ込まれる
  「あっ まてっ!」

  「どうしたミッチ ハワイでおちあうのは明日のはずだぜ」
  「?」
  「ハワイに来ていながら俺たちに顔を見せないなんてどういうことだ まさか恋人でもできたか」
  <なんとなくわかってきたわ ミッチという怪盗Xはよほどわたしに似ているんだわ>
     「実はわたし自分の名前もわからないのよ ミッチと呼んでいるけどあたしはミッチなの? 怪盗Xというのは聞いたような気がするけど」 
     「どうやら記憶喪失になっているみたいだな」
     「そうらしいな」
     <うまくいったわ これで明日になれば本当のミッチに会えるわけね>

彼らの部屋へ連れてこられたカレン
     「身をかくすために行った日本で何かあったんだな なんとかして思い出させないと困るぜ」
     「俺はジミー梶本 こいつはミッキー原 俺たちはいつも三人だったんだ おまえはミッチ また
の名を怪盗X」
     「だが二ヶ月前 Xを名乗って銀行から10万ドルを奪ったやつがいる」
     「われらの怪盗Xはギャングみたいに銀行強盗なんてしないんだ そうだろミッチ」
     「も、もちろんよ  それで本当に盗んだやつはわかっているの?」
     「しらべはついている ヘッケル一味だ」
     <怪盗Xか・・・ なんか興味がわいてきたわ その怪盗Xというわたしにそっくりな人に明日ここ
であえるわけね おもしろくなってきたわ>
     「やつらを警察につきだすことはできるが 怪盗Xとしてはやつらから取り返して銀行に返すほ
うがイキじゃないか」
     「なるほど しゃれてるわね それでいつやるの」
     「今夜さ 早いほうがいい」
      「今夜ね 本物が帰ってからすればいいのに」
     「え なにか言った?」
     「ん なんでもないわ」
     「問題はどうやって潜入して金を奪うかだ」
     「そうね ボートとアクアラングがあれば大丈夫よ」

   ヘッケル一味のアジトへ海から潜入する三人
ボイラー室に忍び込み 各部屋に通じる冷房管へクロロホルムを流し一味を眠らせるカレンの作戦
  「ん なんだこのにおいは ぼーっとしてきたぜ・・・・・・」
「これはクロロホルムだ 誰かしのびこんだぞ!!」
徐々に眠っていく一味たち
カレンたちは金庫のあるヘッケルの部屋へ
  「おまえら何者だ!? うぅ お おい みんなしっかりしろ!」
  「ヘッケルさんね 銀行から奪った10万ドル返していただくわ 悪く思わないでね」
  「なに 10万ドルを銀行から・・・・・・  う  ぅ」
薬がきき眠ってしまった一味をよそに金庫から10万ドルを奪い去る
  「やったぜ」
  「今度はこれをいかにうまく銀行に戻すかね・・・」
  「・・・・・・」
  「どうしたのよ」
  「まさか今夜銀行にもっていくって言うんじゃないだろうな」
  「こんな大金はじめてなんだ せめて一晩ぐらい見させてくれよ」
  「そうね それじゃ明日返すことにしましょ」

一仕事終え寝室で眠りにつくカレン
しかし その部屋へ入ってくる男が二人
  「へへへ わるく思うなよ」
金の入ったカバンを手にする
  「このまま別れるのはおしいな いっしょに連れていこうか」
  「ばかをいうな そんなことをしたら足手まといになる 俺だってつらいんだ・・・ しかし金を奪うのが
目的だったんだからな しかたない」
  「せっかくだけどカバンの中身は紙切れよ」
  「! 気がついていたのか」
  「これはただの冗談だよ」
  「わたしももうすこしでだまされるところだったわ あなたたちのしばいもここまでね」
  「なんだって!?」
  「よく考えたら不審な点だらけよ
   わたしが警察につかまったとき手錠をかけられなかったわ これは助けやすいように仕組まれてい
たからよ」
  「・・・・・・」
  「それに以前から仲間であるわたしに興味をしめすのも変だわ
   さらに ベッケルのあのことば 銀行強盗などおぼえがないという顔
   つまり あなたたちはこの世に存在しない怪盗Xをいるようにしくみ にせ警官をつかってまで10万
ドル銀行強盗をでっちあげたのよ
   わたしが怪盗Xになりすますことも計算にいれて ベッケル一味から10万ドルを奪う目的だったの
ね ここまではお見事だったわ」
  「・・・・・・」
  「だけど わたしが国際秘密警察員だとなぜ知っているの?」
  「国際秘密警察員だって!!  俺たちはあんたの荷物の中身がへんな道具ばっかりだったんで泥
棒のベテランかと思ったんだ」
  「あんたたちにカバンを覗かれるなんて わたしもどうかしてるわ ところでなぜベッケルを狙ったの」
  「俺たちはやつらのイカサマ賭博を見破って命からがら逃げたことがあるんだ そのうらみさ」
  「そのうらみでやつらから10万ドルうばってやろうと決心したんだ」
  「そんなとき あんたの部屋に忍び込んでカバンの中を見てただものじゃないとわかり この計画を
思い浮かんだのさ」
  「なるほどね でもその報いはうける覚悟ね」
「えっ 俺たちを逮捕するつもりか!?」
「そうじゃないわ ベッケルたちがあんたたちを殺しにきたのよ」
  「またまたー あんまりおどかすなよ」
突然開かれるドア
  「ほら おいでなすった」
  「どうなるかわかっているな あの世へ送ってやる!」
  「あんたたちだって まともなことで手に入れたお金じゃないでしょ おあいこじゃないの」
  「なんだと!!」 カレンに銃口が向けられた!!
 バスッ バシュッ バスッ
  「ぐあっ」「あうっ」 
倒れる一味
  「殺したのか?」
  「あたしだってやたらに人は殺さないわ 麻酔銃よ」
  「へー便利なものがあるんだなあ」
  「いくら悪人からとはいえお金を奪うわけにはいかないわ」
  「そりゃないぜ せめて一枚か二枚・・・」
  「だめ あんたたち逮捕されないだけありがたくおもいなさい」
  「・・・・・・」

  <これですべてかたづいたけどせっかくの休暇をあんたたちにつぶされてしまったわ
      また 明日から非情な世界へもどるのね あ〜あ>

車をとばすカレン
  「あのふたり いまごろどうしてるかしら ふたりともちょっぴりハンサムだったわね」
そのときカレンの車を追ってきた車が
  「あっ」
  「なんでもするからさ 俺たちも連れていってくれよ」
  「あたしの行くところ危険がまっているわ」
  「あんたといっしょなら危険でも平気さ」
  「そうさ心中だってするぜ」
  「そんなことまっぴらごめんよ それじゃあね」
アクセルをふむカレン
  「お〜い まってくれ!」
  「ぜったい逃がさないぞ 地獄のそこまでついていくぜ!」


      ブォ────────────ン
         
                     さすらいのカレン 完


 管理人泣かせのレスですね。もうしません。すみませんでした。(紙魚図青春さん・03/11/26)

※いえいえ、ありがとうございました!大力作のレスでしたね〜。ご依頼のすぅーさんにもご満足いただけたのでは?と思います。(めぐみ・03/12/08)