●依頼No.724 依頼者:水無月さん(04/04/24)

男しか生まれなくなった世界の話について

はじめまして。
探しているのは、SF風のラブストーリーで、男しか生まれなくなってしまった世界の話です。

その世界には自然に生まれた女性はすでにいなくて、人工的に作られたドール(というような呼び方をしていたと思うのです)と呼ばれる自らの意思を持たないロボットのような女性だけ。男性は気に入ったドールの卵子と自分の精子を受精させ、病院の人工子宮で子供を作るシステムだった気がします。主人公は男子高校生で、今の生殖システムになんとなく違和感を持っているものの、自分でもその原因はわからなくてもやもやした日々を送っています。

そんなある日、1部の上流階級の人間のために意思を持つドールを作っている施設があるという噂を聞きます。そして彼は偶然にも、そんな意思を持つドールの1体と出会ってしまいます。2人は次第に惹かれあうようになるのですが、彼女の出荷日だか出荷相手だかが決まり、とうとう2人は逃げ出すことを決めるのです。でも結局うまくいかず、確か最後には2人とも殺されてしまったんだと思います。 作中で2人がパラレルワールドについて話すシーンがあって、死の間際に主人公がそれを思い出して、「今度生まれる時は別の地球に…」みたいなことを言っていたのを覚えています。

設定等かなりうろ覚えなので多少違っているところもあるかもしれませんが、心当たりのある方よろしくお願いします。。

●ビミョーに設定は違うのですが、おそらく柴田昌弘氏の『枯葉の街』ではないかと思います。男性のみの社会で、女性は「車を買うように買い替える存在」という世界観です。中古売り場もあったりします。自然のままの意志のある女性を育てる研究、と聞かされて協力していた主人公ですが、実は金持ち向けの商品だった、という展開です。連れていかれる彼女を奪って逃避行、ラストはご記憶通りです。ラストページは一言一句覚えてます私…(笑)

今、手元にないので100%ではないですが、確か主人公は「シロー」(漢字が分からない)、ヒロインは「聖子」です。結構シンプルなタイプのキャラクターデザイン。絵より、お話が印象に残るはずの作品です。女性を「まさに自動車」のように表現しているので、眉をひそめるむきもあるそうですが、お話は名作だと思います。1980年「少年少女SFマンガ競作大全集」8号初出。

白泉社『成層圏のローレライ』収録。あいにく表題作しか画像がないのですが、こちらのサイトでは画像使用許可済みだとかで、氏の絵柄が見られますので、御参考になれば。古本屋で時々見かけますので、チェックなさってみては如何でしょうか。大都社ST COMICS『回転扉』にも収録されているらしいですが、こちらは持っていないので未確認情報です(^_^;)。(ゆっこさんさん・04/04/26)

●ちょこっと『マージナル』に似てますね。全然別のお話ですけど。(のあさん・04/05/02)

 ●古本屋さんを探し回って、入手することが出来ました。ゆっこさんに教えていただいた『枯葉の街』に間違いないです。ずっと印象に残っていたラストシーンも確認することが出来ました。どうもありがとうございました。(水無月さん・04/05/07)

●入手、おめでとうございます。合っててよかったです(^_^)/。そして蛇足…。

>のあ様

実は私もそう思いました(^^)。そして同氏の『ラブ・シンクロイド』はさらに『マージナル』に近いかもです。『マージナル』を読んだ時、「おお、男ばかり!逆の世界だわ。女性が描くとこうなるのかー」と思った記憶があります。(作品として類似点はありません。女子校のお話と男子高のお話、くらいな感じですね)同じSFですが、柴田先生はアクション活劇、萩尾先生はファンタジック。どちらの作品も面白いです。(ゆっこさんさん・04/05/08)