●依頼No.792 依頼者:かずきまほ さん(04/08/28)

寺舘和子・『16歳レクイエム』について

寺舘和子先生の作品で、17年位前「ちゃお」の付録のマイラブコミックスで確か上下巻だったと思います、『16歳レクイエム』という作品が
掲載されていたのですが、上巻は読んだのですが、下巻は読んだ覚えがないのです。
少し前まで、寺舘和子先生のHPで少しずつ、掲載されていたのですが、HP自体を閉鎖されてしまったようで・・・。
結末が気になって気になってしかたありません。
もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、下巻の内容を教えて頂きたいので、よろしくお願い致します。

●前・後編を持っております。分かりやすくあらすじをまとめようと悪戦苦闘したのですが、どうにもこうにも文章を書いたりまとめたりする力が無いので、どこが必要でどこを端折ったらいいものか…まあ全然分からないより良いか? と言う事で載せます。とても分かりにくいと思いますがご容赦願います。

長編サスペンスロマン 『16歳(シックスティーン)レクイエム』
<前編のあらすじ>後編に載っているものをそのまま掲載。
仁科ひとみは、16歳の誕生日を目前にした高校一年生。三つの頃、仁科遼平にひろわれ、12年間育てられた。彼女には、それ以前の記憶はまったく無い。ひとみにとって遼平は“育ての親”なのだが、いつしかひとりの男性として意識し始めていた。春休みに、遼平、聖(さとる)とともにS市の別荘に出かけたひとみは、昔、殺人事件があった古びた洋館に興味を持つ。以前、それを見た覚えがあるのだ。不思議な力に引き寄せられるように、洋館に入っていったひとみが見たものは、自分にそっくりな肖像画と幼いころの写真…!! そしてまた、遼平の姿も…!? 

<後編>
ひとみが洋館の中で垣間見た失った記憶の中には、手を血で染めた若き日の遼平の姿があった。

ひとみと聖は警察で事件を調べ、発見者で殺された女主人操(みさを)の親友だったという林夫人を訪ね話を聞く。16歳の夏、操には避暑に来た同い年の恋人がいたが何の連絡も無く突然東京に帰ってしまい、失意のままその年の暮れに結婚、翌年女児を出産し幸福に暮らしていたが夫が妻の不倫を疑い暴力を振るうようになり事件がおきた。だが、その日16歳のときの恋人も見たと。帰り道、洋館の門の前に立ちつくし涙を流す遼平を見かけ、もし遼平に拾われたときが初対面でなかったら、全てが一つにつながる事に気付く。この地に着てからおかしいひとみと遼平に疎外感を抱いた聖は、「オレはひとみの何なんだ」と問い、「好きだ」と告げる。ひとみは確信がつかめたら話すから待っていてほしいと言う。

夕立、雷でパニックを起こしたひとみは遼平の腕の中で気を失い、失った記憶を取り戻す。――遼平の腕の中で錯乱し助けを求めるひとみに「操 ぼくがついてる ぼくが守ってあげるから」とキスをする遼平。それを部屋の外で見てしまう聖。  暗転

翌日、全て思い出したひとみは、遼平が真犯人であると確信し、犯行に追い詰めたのは母と私、その罪は母の代わりに自分があがなわなくてはいけないと、母の身代わりになる決心をする。二人のキスにショックを受け先に帰る聖に、ひとみは自分も好きだけれど、償わなくてはならない人がいるからと、キスをして別れを告げ走り去る。そして足元に残された一枚の写真。聖が写真を拾い上げた時、洋館に向かう林夫人が通りかかり、その写真は先日洋館から紛失した物で、写っているのは操夫人と娘の瞳だと言った。これはひとみじゃないか? といぶかしむ聖。少し離れた道を歩いている遼平を恐怖の面持ちで指差し、「あれが恋人だった男だ、頼まれた手紙を操に渡さなかったから今度は私を殺しにきた、操は捨てられたと信じきって身重のまま結婚した」、とパニックになる。

洋館の中の操の絵の前に立つ遼平、額の後ろから二通の手紙が落ちる。夜になっても帰ってこない遼平に、まさかと思ったひとみは洋館をたずねる。玄関先に立つ遼平に声をかけると、いきなり飛びかかられ首を絞められる。遼平は手紙を読んで混乱しているようである。そこに助けに飛び出した聖の「どうして殺したんだ」の語に、「ぼくをずっと愛していて、生んだ女の子までぼくの子だなんてうそだー」と叫び駆け出す遼平。遼平の様子がおかしいと聖と一緒に追いかけるひとみにもう一つ記憶がよみがえる。手に斧を持ち「その男と一緒に殺してやる」と言って、遼平に連れられて逃げる3歳のひとみを追いかけてくる父親が、転んだひとみに斧を振りかぶった瞬間、雷が落ち炎に包まれ、崖から転落する姿だった。

崖の上で対峙する三人。
「この地に再び来たのは自分にはどうしようもない力が働いたとしか言いようが無い、きみを苦しめたかったわけじゃない、きみには真実を知る必要がある」と、操が遼平に宛てた手紙を渡す。そして一瞬の後に遼平は岬から身を投じてしまう。

   (操の手紙をそのまま掲載)
親愛なる遼平――   わたしを許してください   
あなたを待てずに ほかの人と結婚して しまったわたしを――
きょう あなたが  五年ぶりにわたしの前に  現れた時
わたしは はっきりと  自分の気持ちを  知りました
五年前
あなたとわたしは  魅せられたように  たがいに夢中に  なりましたね
いったい何がそうさせたのか…   
16歳という輝きの年齢のせいかもしれない
―――わたしは幸福でした―――
でも あなたは  突然 わたしの前からいなくなった
親友の朝子に  事情を書いた手紙を  渡したと あなたは言います
―――伯父の死で一族が  落ち着くまで別荘には  来れない…
婚約を申し出たいので  再び会えるまで  待っててほしい―――と
でも わたしは  そんな手紙は 受けとらなかった
あなたに捨てられたものと  思って  うちひしがれたのです
その後  主人がプロポーズした時  わたしはすぐに  うけてしまった
なぜなら   わたしのお腹には すでに子供がいたから…
主人は最近まで  気がつかず
ずっと自分の子として  かわいがってくれ  ましたが…
どうして知ったのか……   現在は その子―瞳のことで
わたしと主人の仲は  急速にさめました
きょう あなたに返す  言葉の一言一言が  自分の胸に  つきささります
もっと早くに  自分の気持ちに気づき  世間の目も気にせず  この子と二人で  あなたを待っていれば…
でも…もし   もし あなたが わたしを許してくれると言うなら
この手紙を受けとって  また愛してくれると言うなら…
わたし この子と一緒に  この家を出ても……

この手紙を書いている夫人に、主人が怒り狂って起きた犯行であろうこと、彼女の死体が握っていたこの手紙と、昔彼に頼まれた手紙を額の裏に隠し、運がよければ真実は全て隠されたままと、告白し許しを乞う林夫人(=朝子)。真実は全て解かれた…   

遼平の言った――どうしようもない力――この事を考えながらひとみと聖は岬の上から花束を投げる。

前編の始まり一つ前の場面(3歳のひとみを遼平が置き去りにする場面)の見開きで終わる。

思ったより長くなって3つにまたがってしまいました。全部読んだ方お疲れ様です。(e香さん・04/09/12)

●e香さん、どうもありがとうございます!!事細かく内容を書いてくださった事、とても感謝しております。

犯人は遼平さんではなかったんですねー、よかったぁ。けど、悲しい話ですね。確か、小学校低学年の頃に呼んだものだったので、その頃からずっと気になっていて、周りのマンガ好きの友達とかに聞いてもわからずじまいだったので・・・。

お陰様でスッキリしました。本当にどうもありがとうございました!!(かずきまほさん・04/09/12)