●依頼No.872 依頼者:ぽんたさん(05/05/25)

『はいからさんが通る』の別ストーリー作品について

『はいからさんが通る』がリアルタイムで読めていたころのものだったと思います。戦争に行った少尉の戦死の公報が入り、紅緒が髪を切り伊集院家を守っていくと決めた後、伊集院家に莫大な負債があることがわかり、家を守るためにやむなく紅緒が身を売る、というようなお話だったと思います。

ほどなくして少尉は無事に伊集院家に生還し、事情を知った少尉は、行方がわからなくなっている紅緒の捜索を、同じく生還した鬼島軍曹に依頼します。軍曹はやがて紅緒を探し当てますが、少尉の無事の生還を喜びつつも身を汚してしまった自分ではもう少尉に会うことはできないと思い、
「自分の名前は小雪だ。伊集院少尉なんて知らない」と伊集院家に戻ることをかたくなに拒否しつづける、といった感じだったと思います。

しかし。ありえませんよね、こんな展開。私の思い違いの可能性が大!なんですが、当時小学生だった私がこの展開にすごいショックを受けたことだけはしっかりと記憶してるんです。(なにか大和和紀先生の他の作品にシンクロしてしまっているのかも知れませんが・・・)

どなたか何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうかお力をお貸しくださいませ。
どうか宜しくお願いいたします。

●紅緒さんは確かに髪をきりますが、身を売るではなくて、働きに出たと思います。たしか、出版社だったと思います。そこで働いている時、震災に遭って、逃げている時に少尉と再会したように思うのですが、今手元に本がないのでちょっと曖昧な情報ですみません。『はいからさんが通る』の時代、まだ小さかったので・・・(^^;でも、好きで一生懸命アニメを見て、その後本を読みました。ほぼこんなかんじかと思います。(いちごさん・05/05/26)

●私も「はいからさん」をリアルタイムで読んだ世代です。いっきに解決はできませんが、まずはお話から把握していきましょう。

いちごさんのおっしゃるように、紅緒は出版社に就職します。一度は芸者になろうとしたものの、お酒で大失敗した結果です(彼女の酒乱は有名)。編集長は、青江冬星という長髪美形の女嫌いでしたが、だんだん紅緒を受け入れていきます。記者として生活するうち、紅緒は日本人馬賊の噂を聞きます。満州にわたった彼女は「黒い狼」と名乗るその馬賊、元軍曹の鬼島と知り合います。
鬼島が少尉と最後に別れたときの話を聞いた紅緒は、絶望のあまり自殺しようとしますが、気力を取り戻して帰国します。やがて少尉がロシア人貴族として、ラリサという妻をともなって来日します。彼は日本に来ていた鬼島に自分の素性を悟られてしまい、事実を告白します。少尉はロシアで記憶を失っていた間に、実の弟の妻、ラリサに助けられていました。日本で紅緒に再会してから、記憶を取り戻したにもかかわらず、家族を失ったラリサに自分が必要とされていること、彼女の夫であるかのように思い込まされていたこと、彼女が病身であることなどを考え、伊集院忍には戻らないことを選択する少尉。それに反発する鬼島。どちらも紅緒に真実を告げないままです。
一方、紅緒は少尉をとらないでくれとラリサから懇願され、彼を諦めようとします。紅緒は「記憶を失っていたとはいえ、他人の夫として生きてきた人を許嫁としてはゆるせない。結婚はできない」と少尉に別れを宣言します。また少尉が帰ってきた以上、自分が伊集院の家にいる必要はないともいい、実家に戻ります。そして、冬星との結婚話が決定します。結婚式の日、関東大震災で冬星と紅緒は離れ離れになりますが、紅緒を救いにきたのは少尉でした。

紅緒が「ほかの女性の夫として暮らしたことは、許嫁として許せません」と意志表明する相手は、厳密には少尉ではありませんでした。
「さようならと 伝えてください…」といって、駆け出していく紅緒。
少尉に「あなた とめてください わたしの言いかたがわるくて 紅緒さんを怒らせてしまったんです」と訴えるラリサ。

以上のようなシーンがありました。つまり、紅緒はラリサには、自分が身を引くことを伝えましたが、少尉とは決定的な言葉をかわすことがなかったはずです。手元になくて確認できません。記憶ちがいがあったらごめんなさい。

というわけで、紅緒が身を売ることはありません。ちなみに芸者として名乗ったのは「紅千代」という名前です。ひっかかるのは「小雪」という名前です。

「ゆきの」なら鬼島森吾主演の番外編「鷺草物語」にでてくる女郎さんです。この人は、自分を迎えにくるといった男を待っているのですが、結核をわずらっていて、残り少ない命だと自覚したとき逃走をはかり、そのとき一生を終えます。

『はいからさんが通る』の連載時期に「小雪」が出てきた作品があるのかもしれませんが、今は思いつきません。(ねこパンチさん・05/05/26)

●1つの可能性としてなんですが、お姉さんや従姉妹等の手に入れた同人誌をお読みになった。ということはありませんか?今ほど多くはなかったですが、当時も人気作品のパロディは結構な数が出ていましたよ。(蘇枋さん・05/05/27)

●あくまで推測なのですが・・・・「キャラクターの使いまわし」という事も考えられます。マンガ家によっては同じキャラクターでまったく違った話を他誌とかに描く人もいるのです。以前私は、森川久美先生が同じキャラクター(名前も同じ)でまったく違う話のマンガを、連載されていた雑誌とは別の雑誌に描いたのもを読んだことがありますし、他にもそういう描き方をするマンガ家を知っています。ただ、大和和紀先生がこういう方法をするとは思えないのですが・・・。

ちなみに、私も高校時代、クラスメートが同じ物を読んだと言うのを聞きました。(星 飛竜さん・05/06/17)

●いちご様、ねこパンチ様、話の流れを細かく説明して頂きどうも有難うございました。蘇枋様、私には7歳年上の姉がおりますのでその可能性は大だと思いました。情報、どうも有難うございました。星 飛竜様、本当に有難うございます! クラスメートの方が読まれてましたか!!今まで誰に言っても「そんな話、知らなーい!」と言われ続けて私の記憶違いか?、とちょっと弱気になってたところだったので、この話をご存知の方がいらっしゃったことだけでとても嬉しいです。
教えていただいた「キャラクターの使いまわし」については私も大和和紀先生がそういうほう方法を取られるとは思っておりませんのでおそらく蘇枋様も言われているように同人誌の類だったのでは?と思っております。

みなさま、本当にどうも有難うございました!(ぽんたさん・05/06/26)