●依頼No.933 依頼者:ぽっくんさん(06/06/10)

美しい少女が森の中の塔に幽閉される絵物語について

だいぶ古いお話ですが、確か昭和40年代の「少女フレンド」か「マーガレット」に載っていた作品を探しています。

正確に言うと、マンガではなくて絵物語でした。活字の物語にモノクロのリアルな挿絵が添えられていました。ストーリーはほとんど忘れてしまったのですが、美しい少女が森の中の塔に幽閉されるという、江戸川乱歩の小説のような、どこか猟奇的な印象の作品でした。

美しい少女が縛られて、鼻と口を覆う大きなサルグツワをはめられた姿の挿絵がとても印象的でした。
タイトルは確か『緑の塔』か『みどりの塔』だったと思うのですが、自信がありません。どなかたご存じの方、教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

山田ミネコさんの作品が思い浮かびます。見当違いだったらすいませんが 絵柄を確認してみたらいかがでしょう。

「美しい少女が幽閉される作品」も「美しい少女が縛られて、鼻と口を覆う大きなサルグツワをはめられた」作品も タイトルの一部に「緑」がつく作品も「塔」がつく作品もあったはずですが 昭和40年代の「少女フレンド」か「マーガレット」ではないので お探しの作品とは違うと思います。イメージとして思い浮かんだものですので カキコしてますが 見当違いだったらごめんなさい。(ゆかりさん・06/06/13)

●ゆかりさん、レスをいただき、ありがとうございます。さっそく山田ミネコさんの作品を確認させていただきました。

私の記憶に残っているヒロインは、どちらかというと丸顔の美少女で、おかっぱのようなショートヘアでした。ワンピース姿で後ろ手に縄で縛られ、大きな白いハンカチのような布で鼻までおおうサルグツワをぎっちりはめられて、塔の中で正座させたれていたような気がします。もしかすると、サルグツワをはめられ縛られたまま塔から逃げ出したシーンだったかもしれません。

暗い塔に幽閉される物語で、とにかくすごくドキドキした覚えがあります。ということで、どうやら山田ミネコさんの作品ではなかったようですが、ご親切なカキコに心からお礼を言わせていただきます。有り難うございました。また何か情報がありましたら、よろしくお願いします。(ぽっくんさん・06/06/16)

●1968年1月号から10月号まで「なかよし」に連載された物語があります。

タイトルは『幽霊の塔』で、執筆は西条八十さん、挿絵が糸賀君子さんです。原作小説は昭和20年代の「少女ブック」に掲載されたそうですが「なかよし」では挿絵つきのダイジェストになったそうです。「なかよし」では半分が文字で、半分が挿絵だったというので、マンガ形式あるいは絵物語といえるでしょう。

西条さんは『塔上の奇術師』の作者でもあります。どちらのタイトルも、江戸川乱歩の作風を思い起こさせます。内容はわかりませんが、少なくとも少年探偵小説というジャンルでお名前をみかけます。
ところで、糸賀さんの絵はぬりえにも使用されています。

コミカルなデフォルメを避けた、端正な美少女を描いた方のようです。いまでも絵柄を確認できますので、ごらんになってみてはいかがでしょうか。

以上の情報は「なかよし」掲載作品についてですから、お探しのものに関することではないかもしれません。ただ「少女クラブ」がのちに「マーガレット」になったことを考えると、同様のことが「マーガレット」でもあったかもしれないとは思っています。以上、ご参考までにお知らせしておきます。(ねこパンチさん・06/06/26)

●西条八十の『幽霊の塔』のハードカバー版を所有しています。(^^;
1971年の版で、ちょうど当時の江戸川乱歩シリーズみたいな感じ。読み直していないので内容はきちんと覚えていませんが、江戸川乱歩風なのは確かです。挿絵も別の人なので、これがお尋ねの作品のまとめ直しなのかどうかは判別つきませんが、ポイントとなる物として「みどりのとびら」が出てくるので、あるいはその印象が残っているのかもしれませんね。(FUMIKOさん・06/06/26)

●>FUMIKOさん
貴重な情報をありがとうございます。きっとFUMIKOさんの蔵書リストはすばらしいものなのでしょうね。うーん、うらやましすぎます。

改めて調べると『幽霊の塔』には時計塔と緑の扉がでてくるようです。小説の性質上、仕掛けとして重要なものなのか、複数の掲示板で時計塔について言及されていました。

ところで原作の初出は「少女ブック」でなく「少女クラブ」ですね。失礼いたしました。『幽霊の塔』は復刊ドットコムでも投票受付中ですが、対象は絵物語ではなさそうです。国際こども図書館の蔵書も、挿絵は男性のものばかりです。「なかよし」の現物か、絵物語の再録を確認するほうがよさそうですね。(ねこパンチさん・06/06/27)


ねこパンチさん、FUMIKOさん、カキコありがとうございました。
てっきり「フレンド」か「マーガレット」で読んだと思いこんでいましたが、そういえば、あの頃、姉がよく「なかよし」を買っていました!まちがいありません。それで見たのですね、きっと。1968年1月号から10月号まで「なかよし」に連載された『幽霊の塔』。
あれから、糸賀君子さんの絵柄を確認させていただきましたが、まさにあの丸顔で目が可愛い少女でした。ショットカットでワンピースを着た端整な顔立ちの少女が鼻の上まで覆う息苦しそうな猿轡をはめられ後ろ手に縛られて幽閉されている姿が、挿絵にしっかり描かれていました。なぜかその哀れな姿が胸にぐっときて、私のトラウマになっていました。できれば、あの猿轡の少女にぜひもう一度会ってみたいです。
それからだんだん記憶がよみがえってきました。よく考えてみると、たしかに西条八十原作と書いてあったような気がします。当時、あの作詞家(?)の西条八十がこんな物語を書くのかなと不思議に思った記憶があります。それにしても、西条八十の『幽霊の塔』はぜひ復刊してほしいですね。

みなさん、ほんとうにありがとうございました。もし「なかよし」のバックナンバーを見られる場所をごぞんじでしたら、教えてください。よろしくお願いいたします。(ぽっくんさん・06/07/02)

●昔の「なかよし」があるとしたら、国会図書館でしょうね。「ワンポイント情報局」というコーナーで利用法をまとめてくださっていますのでご参考にどうぞ。

そして、みつからなかったらごめんなさい。私はネットでみつけた情報を書き込んでいるだけなので、それが間違っていたらお手上げです。もし正解なら、お知らせいただけると大変嬉しいです。(ねこパンチさん・06/07/03)