●依頼No.981(1414) 依頼者:須貝 やよいさん(06/02/13)

わたなべまさこ・双子の姉妹の話について

1960年ごろの月刊少女雑誌(「少女ブック」?「なかよし」?)に連載されていた双子の姉妹のお話。姉は大金持ちのお嬢様、妹は事情があって誘拐され、おじいちゃんと森の中でゆめのような生活を送っている。この作品のタイトルと、もし単行本になっているならその出版社名、発行年、入手方法などお教えください。

私は現在57歳、子供のころ夢中になって読んだこの本のことをしきりに思い出します。よろしくお願いいたします。

●須貝やよい様、こんにちは。

お探しの作品は『さくら子すみれ子』ではないでしょうか。わたなべ先生はほかにも双子ものお書きですが、お話の感じからこれでは思いました。

内容は九州阿蘇を訪れていた資産家の夫妻が活火山の大噴火に巻き込まれ、妊娠中の妻が出産後、急死します。偶然通りかかった帰省中の看護婦がとりあげ、双子の女の子が生まれます。彼女は、1か月前に出産しましたが子供を亡くしています。赤ん坊にお乳をあげるうちに情がうつり、迎えに来た夫側の祖父母に子供を一人だけ渡し、もう一人を手許に残します。

その後、犯した罪の大きさに自分の山の中に住んでいた医者だった父親に子供を預けて自殺してしまいます。そして二人は資産家の令嬢と人里離れた山中で野生馬を乗り回す少女として育ち再会します。

掲載当時のことはわかりませんが、当時のものはプレミア本になっているようです。比較的新しい「わたなべまさこ名作集」として復刻されております。私の本は1992年発行のものですが、上下巻2冊です。こちらも最近は入手しにくくなって来ているのかもしれませんが、大手古書店で時々見かけますし、楽天・ヤ
フーなど出品されている時もありますので、ネットの古書店等をマメに検索をかけると見つかると思います。(恥さん・06/02/14)

●私も、ストーリーから恥さんと同様に『さくら子すみれ子』を連想しました。ただ、そうすると、掲載誌、年代が、質問者のご記憶とズレるのが気になります。

「さくら子すみれ子」は、週刊マーガレットに1966年の初め頃に連載されていました。(66年10号掲載分が最終回です)

なにぶん、古いことですのでご記憶違いがあるかもしれません。お心当たりがあれば、これで間違いないと思います。なお、恥さんの書かれた「わたなべまさこ名作集」はホーム社から出ています。(未観さん・06/02/14)

●集英社の「少女ブック」に1950年代後期に連載されていた『山びこ少女』かとも思いましたが、誘拐されていないしなあ。
 「山びこ少女」は双子が生まれると不幸になると言い伝えがあるところで夏美と春美(こんな名前だったかな?)という双子が生まれると、とあることで家族がばらばらになる。夏美は山の中でおじいさんと暮し、かたや春美はといった内容。

誘拐されるとなると1960年前半、おなじ「少女ブック」で『山びこ少女』のあとに始まった「白馬の少女」。でもこれは双子モノではありません。1962年ごろおなじく「少女ブック」に掲載された、ひとりはお嬢様ひとりはジャングル生活の双子モノ「ミミとナナ」という作品もあります。 この作品は連載中掲載誌の「少女ブック」が「マーガレット」にかわったので、その点からもご記憶をさかのぼっていただければと思います。

ご記憶がごっちゃになっている可能性もありますし、上記以外に「これ!」という作品があるのかもしれません。現在、単行本になっているのは『山びこ少女』だけです。 集英社の子会社、ホーム社からハードカバーで出ていましたが現在は絶版。ブックオフとかの大き目の古本屋ではたまに見かけます。 他の二作はオリジナルの雑誌しかなく、お値段も高いので気長に復刻されるのを待つほうが賢明でしょうか。(紙魚図青春さん・06/02/17)