●依頼No.987(1418) 依頼者:みゅうさん(06/03/01)
わかつきめぐみ・『水のソルティレージュ』について
はじめまして。
「LaLa WINTER CLUB 1990」という雑誌に掲載された、わかつきめぐみさんの『水のソルティレージュ』の内容が知りたいです。
「ララ」系の雑誌で読んだような記憶はあるのですが、 内容はほとんど覚えていない作品があります。 たしか「天水」という登場人物がいたということだけ覚えています。 絵はわかつきめぐみさんだったと記憶していたので、 単行本もすべて確認したけれど見つかりませんでした。そこで1作だけある単行本未収録作品『水のソルティレージュ』がその作品ではないかと思うのです。
『水のソルティレージュ』が探している作品ではなくても、 大好きなわかつきさんの作品なのでぜひ内容を知りたいです。 どうぞよろしくお願いいたします。
●『水のソルティレージュ』は、私も読みました。内容は・・・彩虎という肉食獣(だったと思います。)が登場します。この彩虎は魂が不安定なものは「月病」(つきやみ)になり他の彩虎と魂が入れ替わってしまったりします。その「月病」は人とも魂が入れ替わってしまう事があります。入れ替わった魂が元に戻る方法は相手を殺す事だけ・・・。主人公の少女は彩虎と魂が入れ替わってしまい、両親が「彩虎の牙にかかって死ぬよりは・・・」と、村の呪術師に毒薬をもらってくるよう話しているのを聞き、入れ替わった魂の彩虎に付けられながらの旅に出ます。
最後はよく覚えていないのですが、彩虎の方が自殺したか何かで主人公の「月病」も治るのだったと思います。ただ、「天水」という名前があったかどうかは不明です。
なお、『水のソルティレージュ』は復刊ドットコムにてリクエストされています。(星 飛竜さん・06/03/04)
●星さま、早速のご返信ありがとうございました。教えていただいた内容には覚えがないので、『水のソルティレージュ』は私の記憶している話とは違うのかもしれません。
でもとても気になっていた作品でしたので、内容だけでもお聞きできて良かったです。ありがとうございました。復刊ドットコムには以前投票してきました。単行本への収録を強く祈っています。
また、もし『水のソルティレージュ』の登場人物の名前などお分かりになる方がいれば、引き続き情報をいただけるとうれしいです。(みゅうさん・06/03/10)
●レスを読んでいてわずかに「天水」という登場人物を思い出しました。間違えているかもしれないのですが、『天つ水降り』の登場人物だったような気がします。そして、この話は『黄昏時鼎談』に入っています。
なお、『水のソルティレージュ』のほうの主人公は「翡翠」という名だったように思います。(星 飛竜さん・06/03/11)
●(みゅうさん・06/03/14)星様、度々のお返事ありがとうございます。早速『黄昏時鼎談』の『天つ水降り』確認してみましたが、こちらの登場人物は「秋水」でした。
私の記憶にある作品では「天水」と書いて「たかみ」と読んだように思います。変わった読み方だなーと漢和辞典で調べた覚えがあるので・・・。
『水のソルティレージュ』の主人公は「翡翠」というのですね!またひとつなぞが解けてうれしいです。ありがとうございました。
●結論から申しますと、「天水(たかみ)」は、『水のソルティレージュ』で、ヒロイン「翡翠(ひすい)」と深く関わり合う「豺虎(さいこ)」の名前です。
実は「<彩>虎」ではなく「<豺>虎」なのです。
豺(さい)とは、<狼(おおかみ)・山犬などの野獣>、の意味です。
弱肉強食の象徴として描かれたのでしょう。
ネタバレの無い程度に紹介しておきます。
獣でありながら、自分以外の生き物の血を流さないと生きていけないことに疑問を持っていたために、仲間から避けられていた「豺虎(さいこ)」の「天水(たかみ)」。自分のやりたいこと、自分しかできない「何か」――オアシスを求めるあまりに、幼なじみや両親とも溝が深まりつつあった少女の「翡翠(ひすい)」。
そして、満月の夜――。2人の額には「月病(つきや)みの印」が……。
「月病み」、それは満月の夜に迷い抜け出した「豺虎」の魂が他の「豺虎」に入りこみ、魂をなくした方は次の満月までに入りこんだ方を喰わないと死んでしまうという、「豺虎」たちの宿命。少女の迷える魂が「豺虎」から抜け出た魂を引きよせたのだった。死に直面して行き場のなくなった孤独な2人が、森で出会う……。破滅の運命を背負った2人の魂の行き先は―――
物語のなかでは、「豺虎」の「天水」が人間の少女「翡翠」から人間の姿として見えるのは、「天水」の魂が「翡翠」の中に入っているからだ、ということで「天水」は人間の男性の姿で描写されていました。
私も復刊ドットコムには投票済みで、今回のレスをきっかけに、投票コメントに上記の一部を追加しておきました。これが「吉」と出れば良いのですが…。いつの日か、わかつき先生の意思で出版されることを願っております。(サトクリフさん・06/04/10)
●サトクリフ様、ありがとうございました!やはりこの作品だったんですね!!主人公(立ったと思うのですが・・・)が「天水」と呼びかけるシーンだけとても印象に残っているんです。やっと疑問が解けてすっきりしました。本当にありがとうございました。
内容を教えていただいてますます読みたくなりました。私も復刊ドットコムには投票済みですが、なかなか兆しが見えないですよね・・・。もう国会図書館に行くしかないのか・・・と思うこの頃です。本当にわかつき先生のご意思で復刊されることを切望しています。(みゅうさん・06/04/11)