●依頼No.1049(1726) 依頼者:月詠さん(08/05/15)

小さな少女と恋をした画家の青年が自殺してしまう話について

70年代前半の作品だと思います。
掲載誌はおそらくマーガレット系列(週間、別冊、増刊などの分類は不明です。)
 小さな少女(たぶん年齢は7〜8歳)と画家あるいは画学生の青年が出会い、二人は惹かれあうようになります。
ある日少女は住んでいる町を離れることになり、青年に大人になったらきっと帰って来ると言う様なことを言うのですが、青年の方はきっとその頃には自分はおじいちゃんになっちゃうなと言う様な返事をしたと思います。最後に二人は「赤ちゃんのキスじゃない」ちゃんとした口づけをして別れるのですが、少女が去った後に青年は自分のアトリエでパレットナイフを胸に突き刺して自殺してしまいます。
 設定なんですが、もしかして少女は避暑か何かで一時的にその町に来ていただけだったかも知れません。
絵柄は立原あゆみさんに似ていたような気もするのですが、また記憶違いかも・・・。
どなたか思い当たる作品をご存知の方、情報よろしくお願いします。。

立原あゆみ『さそり座うまれの子猫』 掲載は、「週刊マーガレット」1973年8月15日臨時増刊号です。

少女は8歳で名前はエミリー、青年は22歳で「ルーベンス」と名乗っていました。エミリーには姉が、ルーベンスには兄がいて、その二人が恋仲になりのちに結婚します。物語の大筋は、ほぼ月詠さんの記憶どおりですが、エミリーの父親は仕事の都合で引っ越しが多く、エミリーがルーベンスのいる町を離れることになったのも、それが理由でした。

あとルーベンスの「自殺」についてですが、これは微妙に解釈が分かれそうな…
その前フリとしてペットの小鳥の老衰(?)死のエピソードがあるのですが、
(エ)「誰が殺したの!?」
(ル)「誰でもない、強いて言うなら殺したのは時間。
    小鳥は死ぬことによって時間から解放された、
    この先ずっと老いることも変わることもない」
といったような会話がなされます。
で、ラストシーン、引越しの車中でエミリーの、
「おやすみルーベンス。待っててね。
 10年たったら私は18歳、でもあなたは変わらず22歳のまま。
 そうしたら…ふたりは恋人どうしよ」
といったようなモノローグ。

これってつまり、その時点でルーベンスが「死んで」いることをエミリーは知っている…というか本当に「自殺」?という、自分的にはついついコワい方向に深読みしたくなるエンディングでした。(ころさん・08/05/22)

●ころさん、またまた有り難うございます。

そうそう、「18なるまで待ってて」みたいなこと言ってました。16か18かうろ覚えだったんで書かずにいたんですが。ころさんのお返事を読んで、小鳥の件もうっすら思い出しました。車の後部座席に後ろ向きに座って、遠ざかる景色を涙ながらに見つめる少女の姿とかも。

しかし私は子供心に、
<少女が帰る日を今と同じ姿で待ち続ける為に命を絶った青年の純愛物語>
だとばかり思っていました。
「気持ちはわかるけど、死んじゃったらダメじゃん」とか思って、
泣きながら読んだ記憶があります。
ころさんの御指摘もこの年になるとよーくわかります。コワイ。
意外とシュールな話だったのかも。

でも絵描きの名前が「ルーベンス」っていうのは、今にして思えばベタですよねぇ・・・。

お陰様で今回も無事に解決いたしました。感謝いたします。(月詠さん・08/05/23)