クリエイティブ・アーツ・セラピー国際会議の開催にあたって

大会テーマ : クリエイティブ・アーツ・セラピー(諸芸術療法)のコラボレーション

(アートセラピー × ミュージックセラピー × ダンス/ムーブメントセラピー ×
   ドラマセラピー × ポエトリーセラピー × 表現アーツセラピー × プレイセラピー)

議長 関則雄 (クリエイティブ・アーツ・セラピー研究会代表)
顧問 ステファニー・ブルック Ph.d., NCC

 

 クリエイティブ・アーツ・セラピーとは、アートセラピー、ミュージックセラピー、ダンス/ムーブメントセラピー 、ドラマセラピー、 ポエトリーセラピー、 表現アーツセラピー 、プレイセラピーなど、諸芸術領域のセラピーの総称を意味します。それぞれのセラピーは背景となる独自の理論や歴史、高い専門性、アイデンティティーを持ちながら主として欧米で発展してきました。今回のクリエイティブ・アーツ・セラピー国際会議では、これらの諸芸術領域の専門家が一堂に会し、それぞれのセラピーを紹介し、互いに共通点や相違点をシェアしながら理解と交流を深めることを目的としています。                 
 セラピーの対象となる人々は、さまざまな状況の中でそれぞれ異なるニーズを抱えているのが現状です。実際にセラピーを行なうにあたっては、受け手にとって馴染みやすく抵抗が少ない芸術的アプローチを選ぶことで自己表現が促され、セラピーのプロセスが深まりやすくなります。一方、敢えて馴染みが無いアプローチをとることで、それまで気づかなかった自己の意外な側面が見えてくる場合もあります。このように、セラピーの対象者やその目的に応じて異なるアプローチを使い分けることには大きなメリットがあり、セラピストがそれまで用いてきたアプローチに他の領域での考え方や実践法を取り入れたり、互いにコラボレーションを試みたりすることにより、セラピーの幅がさらに広がることと思います。
 各国の参加者が集う国際会議では、民族や文化的背景の特色によるクリエイティブ・アーツ・セラピーのあり方や社会的認知の違い、専門家としてのトレーニングの現状などについての情報も得られます。また、世界各地で起きている紛争や貧困、差別、偏見などによって生み出される社会的弱者への支援としてのセラピーのレポートも取り上げました。さらに、アートのもつ創造性と癒し、アートによるスピリチュアリティーの探求といったテーマにも触れていきます。
 本国際会議は、専門家にとってだけでなく、学生をはじめ一般参加者にとっても、主として欧米で発展してきた専門性の高いクリエイティブ・アーツ・セラピーの実際に触れる絶好の機会となるでしょう。ここでは、クリエイティブ・アーツ・セラピーの方法論の紹介や専門的な情報交換にとどまらず、広く国際的な視野に立って、セラピストとして何が求められているのかについて、またクリエイティブ・アーツ・セラピーの今後の展開について、参加者の方々とともに考えていきたいと思います。

共催:クリエイティブ・アーツ・セラピー研究会

日本ドラマセラピー研究所

表現アートセラピー研究所

CJCAT (Community of Japanese Creative Art Therapists)(本部:ニューヨーク)

 

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