(99番通り)

 

<注>新しいのが、上にきています。

 99年12月31日 金曜日 平成の一杯のかけそば?
 今年も、いよいよ最後の日になってしまった。今年もいろりろとあったよね。来年は、「ミレニアム」っていう事で、いつもより大騒ぎのような気もする大晦日だよね。大晦日というと、「年越しそば」だね。そばは、クローンには良くないというけど、少しくらいは食べたい感じもするね。少しだけ、分けてもらって食べようかな。

 でも、いつも大晦日の年越しそばで思い出すのは、「一杯のかけそば」の物語。実際に、読んだ事もないけど、3人で一杯のかけそばを食べるんだよね。それは、貧乏であるが上の行為だけど、現代でそういう姿を見かけたら、それはクローンの人達かもしれないね。まさに、現代の一杯のかけそばの物語になるね。


 99年12月23日 木曜日 そんなの信じない!
 今日は、冬至という事。朝から、かぼちゃの煮つけが、作ってあるし、夜のお風呂は、ゆず湯だったんだ。かぼちゃを食べれば、風邪を引かないという言い伝えがあるみたいだけど、クローンの人には、それを実践できない人もいるんだよね。そうなると、そういう伝統というものに逆らいたくなっちゃった。かぼちゃを食べなかったけど、来年は、風邪を引かずに、1年を乗りきってやろうと思っているんだ。冬至にかぼちゃを食べろと、最初に決めた人、みてろよ?!


 99年12月17日 金曜日 進学できない?
 ネットで検索をしていたら、「障害者の大学入試ページ」というのがあったんだ。それを見ると、障害者を入学拒否している大学って、結構あるんだなと思っちゃった。その中でも、内部障害を拒否している大学も、外部障害程でないけど、いくつかあったね。クローンで、障害者手帳を持っている人もいるけど、対象にされちゃうのかな?結構、世の中は厳しいよね。


 99年12月13日 月曜日 バリアフリー
 最近、いろんな所で、障害者へのバリアフリーというのが、叫ばれるようになって、耳に入るようになったよね。いわゆる、障害者のバリアをなくしていこうというもので、最近の車椅子の人に対処した、段差のない歩道とかも、そのひとつなんだけど。クローンの人へのバリアフリーは、綺麗なトイレの増加と、シャワー付トイレにする事かな。


 99年12月10日 金曜日 150人だけ買えば!
 また、年末ジャンボ宝くじのシーズンになってきたね。以前のクローン街道にも書いたけど、結構クローンの人って「何分の1の確率で病気になったから、宝くじも当たるかも」って冗談を言う人が多いよね。その言葉は、ジャンボ宝くじのシーズンになると、本当に繰り返して言われるよね。しかし、1等の本数は150本。という事は、日本に2万人もいるクローン患者は、どのように考えても、全員1等なんて無理だよね。こうなったら、19.850人のクローンを抹殺すれば、僕に3億が転がりこむかな?でも、きっと、他の特定疾患の人達も、そのように考えているかも。そうすれば、何人抹殺すれば、3億にあやかれるのだろう・・・・・。


 99年12月2日 木曜日 医療情報が!
 今日の朝刊に、「全国医療情報センター」なる所が、個人データーと具体的な病名・病歴リストを販売している為に、厚生省が、情報の入手先を調査しはじめたと書いてあったんだ。どこから、こんな情報が流れるのかわからないけど、本当に怖い話しだよね。病気というのは、すごくプライバシーに関わってくる事だし、そういう情報で、金儲けをしているというのも、腹が立ってくるね。クローンの人の中には、隠し通したい為に、特定疾患の受給申請をしていない人もいるのに。その内、急に、健康食品とかのダイレクトメールが届かないように祈るしかないね。

※補足 結局、医療情報の入手先はわからなかったみたいです。


 99年11月24日 水曜日 健康のシンボルは!?
 今日、親が買ってきた麩菓子を食べようとしたら、いつも食べている麩菓子と違っていたんだ。それで、原材料を一応見たら、「繊維」と書いてあった。袋には「健康に良い繊維入り」とも。なんか繊維が、健康のシンボルになっているよね。でも、僕等にしたら、「健康に悪い繊維入り」だよね。繊維が、健康に良いという一方的な主張にも困ったものだ。これで、今日のおやつはなしになってしまったんだ。ふぅ〜。


 99年11月17日 水曜日 海外が、安心に!
 今日の朝刊に目を通していると「国民健康保険を海外でも使える事を検討」 という記事が載っていたんだ。僕は、フリーターで、いわゆる無職。ネットをやっている人は、ある程度生活にゆとりがある人=収入がある人という場合が多いので、ネットで出会う人達は、正社員として働いている人が多いけど、実際に地元のクローン患者では、結構、無職という人が多いんだよね。いわゆる、国民健康保険の人も、結構いるという事。そういう人にとっては、海外でも使えると、持病をもっているんだし、認可されれば、「安心」の一翼を担う事になるしね。これで、僕の海外旅行が、少しは近づくかな?


 99年11月15日 月曜日 密かな、挑戦!
 最近の病院の駐車場は、安いながらも、有料の所が増えたね。僕の行っている病院も、3年前くらいから、有料になって、「30分以内なら無料・以後30分ごと100円・外来患者は、4時間まで100円」という規定。いわゆる、30分以内か、超過するだけで無料と100円の違いが出てくる訳。僕の外来の平均時間は、だいたい30分くらい。だから、微妙なんだ。100円くらい、たいした事がないように思うけど、28分で駐車場を無料で出られると、非常に嬉しいんだよね。さて今日も、30分切る事を目指して行ってくるか。


 99年11月14日 日曜日 難病者の声
 僕が住んでいる市の福祉の資料を見る機会があったので、詳しく読んでみると、いろいろと人数が載っていたんだ。平成8年の資料だけど、市の身体障害者13822人・知的障害者1681人・精神障害者5200人・難病者1600人という事。この数字を見て、僕の市は、40万人ちょっとしかいないのに、障害者って意外と多いんだと思った事と、難病者って少ないんだなって思っちゃった。もちろん、難病者で、障害者手帳が出ている人もいるので、ダブっている人もいると思うけど、確か、この年は、クローンは30人のはず。という事は、クローン以外の難病者も多いんだとも思ったし。

 しかし、一番思ったのは、福祉が、障害者重視になるのもわからんではない、人数比率だという事だよね。これをみれば、難病者の声は、それほど大きいものになりそうもないからね。



 99年11月9日 火曜日 古紙安値
 今日は、ゴミの収集日。我が家は、結構、ゴミを出す家庭なんだ。それは、家族が、惣菜物を買ってきたり、お菓子をよく買ってきたり、インスタント食品を食べる事が多い為、容器のゴミが一杯出るわけ。かくいう私も、かなりのゴミ出し者。それは、エレンタールの袋とかをたくさん捨てるからね。エレンタールの袋なんて、どんな素材かわからないけど、結構、資源の再利用できないかと考えるくらいちゃんとしたものだしね。

 しかし、もっと無駄に思うのは、エレンタールの入っていた小箱。ちり紙交換者も、古紙の安値の為、トイレットペーパーと交換どころか、お金を払わないと引き取らないし。従って、我が家では、心が痛みながらも、小箱を細かく破り、普通のゴミと一緒に出しているんだ。結局、家族で、僕が一番、ゴミを出しているのかな。


 99年11月7日 日曜日 クローンは、先祖に感謝!?
 雑誌を読んでいたら、隅の記事に、日本人の胴長の訳について書いてあったんだ。やっぱり、足が長いというのは、人間にとって羨ましい事だもんね。そこで、その記事を読んでみると、日本人は、昔から、繊維を多く含んだ食事をとっていた為に、便が多くなり、腸が長くなった為という事だった。という事は、僕の足が短いのは、親のせいではなく、それより以前の、先祖のせいなんだね。

でも、腸が長いという事は、手術をして、腸を切除しても、欧米人よりは、短腸になりずらいという事かな?そうだとしたら、僕等、クローンは、日本人の先祖に感謝しないといけないかもね。


 99年10月26日 火曜日 一病息災保険
 今日の朝刊に、養老保険の一環で、糖尿病などの慢性病があっても、条件が整えば、保険に入れるという記事が載っていたんだ。ちょっと、ビックリ!まあ、いろいろと制約があるかもしれないけどね。クローン病みたいな病気をもっていると、生命保険に入れないから、こういうのはありがたいね。ただ、クローン病が適用になるかわからないけど。それと、40歳以上しか、対象とならないので、まだまだ先だね。


 99年10月23日 土曜日 治療食宅配サービス
 今日の夕方、テレビを見ていると、糖尿病とかの治療食弁当を宅配するサービスをやっていたんだ。映像で、「脂肪制限食」なんていうメニューもあったから、クローン食もあるのかもしれないね。その時は、鮭を中心としたメニューで、900人分を120種類というパターンの弁当を作っていたよ。1食800〜900円と割高だけど、こんなに手がこんでいたらしょうがないかもね。その他にも、病院が、病院食を宅配する試みをしている事もやっていたんだ。

 クローンは、1人暮しだったり、家族の中にいても、他の家族とメニューが違ったりして、作るのが面倒だったりするから、こういうサービスがあると良いね。どうも、自分で作る食事は、食べる時に楽しみがないし。こういう事からも、QOLが上がると良いね。


 99年10月23日土曜日 クローンのこの先・・・・
 新聞を読んでいると、あしなが育成金について書いてあったんだ。どうも、この不況で、寄付金がなかなか集まらないらしいんだね。あしなが育成金というと、癌とか交通事故で、親をなくしてしまった子供達の進学資金というのが一般的な常識だよね。

 しかし、あまり話題にはならなかったみたいだけど、この中には、自殺によって親をなくしてしまったパターンもあるみたいなんだ。しかも、自殺によって親をなくす子供が急増しているらしいんだよね。昨年も、1万8千人を超える人が自殺したみたい。その内訳が、病苦が1万2千人、経済苦が6千人くらいらしいんだよね。結構、自殺者っているよね。

 ふと思った事は、今、クローンの人は、なんとか元気に暮らしている人が多いけど、社会保証制度も逆風が吹いているし、今の所若いクローン患者が多く、親に養ってもらっている人が多いけど、30年後は、親も定年を迎えたり、亡くなっている場合が多いだろうしね。だって、僕も無職だけど、地元のクローン患者も、かなり多くの人が無職だし。いわゆる、病苦と経済苦が、同時に襲ってくるクローンさんが多くなるように思っちゃう。数十年後、クローンの親を持った子供達が、募金活動をしなくても良いように、僕等は頑張らないといけないね。


 99年10月21日 水曜日 3年ぶりの大腸ファイバー
 今日は、3年振りの大腸ファイバーの検査だったんだ。それまで、検査をやっていなかったというのではなくて、バリウムによる注腸の方ばかりやっていたもので。やっぱり、大腸ファイバーだと、2リットルの下剤であるニフレックや、痛みがあるので。まあ検査後は、注腸の方が、空気とバリウムで大変なんだけどね。

 検査の結果は、狭窄の為、上行結腸までしかカメラが入らなかったので、確かな事はわからないけど、敷石状では無く、潰瘍が所々にあるという感じで、先生は、「クローンの活動性はあるけど、それほど強くない」という事。注腸の検査で、3年前から、ここに潰瘍があったので、通らないかもと思っていたけど、実際にカメラが通らなかったのは、ちょっとショックだったね。

 しかし、僕も発病丸6年。今まで、手術も無くやってこれたから良いと思わないといけないかもね。まあ、こんなものでしょう。


 99年10月15日 金曜日 2000年問題の食糧危機?
 もうすぐ2000年という事で、「2000年問題」というのが、何かと話題になるよね。コンピューターの誤作動による、管制システム・医療機器のトラブルとかで、年末年始は、出勤する人も多いみたいだし。

 行政も、それに伴って、3日分くらいの食料や水を保存するように指導しているね。僕等はエレンタールを少し貯め込めばいいのかな?でも、結構多くのクローンさんが、エレンタールを余らかしているから、敢えて貯め込むまでもないかもしれないね。しかし私も、念の為に、次回の外来で余分にエレンタールを処方してもらおうっと。


 99年10月3日 日曜日 クローン民族国家?
 今日は、神戸でインターネットのクローン掲示板のオフ会があって、参加してきたんだ。しかし、さすがに岐阜から、神戸まで行くのに、日帰りで行くのだから、早めに家を出ないといけなかったんだよね。最近、昼過ぎに起きる僕にとっては、本当にきつい!でも、頑張って起きたよ。しかし、夜の経管経腸による栄養剤補給があまりできなくて、ボトル式のエレンタールをオフ会の時に飲もうと思って持っていったんだ。

 神戸に着いたら、エレンタールを飲む為の水を買って、オフ会会場に。そして、オフ会会場で、エレンタールを作って飲んでいると、他にも同じように飲んでいる人が何人もいたんだ。しかも、周りが、それを当たり前の様に見ている。う〜ん、クローンしかいない世界だと、こんな風景が一般的になるんだね。オフ会の4時間だけ、この会場は、「この世がクローンばかりだったら」というような小世界を作り出していたよ。


 99年10月2日 土曜日 腹痛は、すべてクローン?!
 今日は、体調がすごく悪いんだ。下痢が多いし、軽い腹痛も起きるし。僕の頭は、すっかりクローンの再燃ばかりと考えてしまったんだ。

 しかし急激に、クローンの症状が出たという事は、今までの経験上、考えられなかったんだよね。それで、よく考えてみると、昨日食べた茶碗蒸に入っていた、鶏のささみが、火が通っているか、母親が心配していたんだよね。「そうか、これか!」という感じで、原因は、単なる食中りという結論に。それを証拠に、下痢や腹痛は、急速になくなっていったんだ。でも、クローンだと、腹痛は何でもクローンが原因と考えてしまうよね。

 99年9月26日 日曜日 言いそびれた食事制限
 昨日の夜は、学生時代の同級生達5人と6年振りに会って、飲む事になったんだ。僕が病気にって、最初の診断された入院が終わったのは、大学4年の1月だったんだ。この頃になると、みんなほとんど学校に来なくなったので、僕が病気で、食事制限がある事は知っていても、詳しい内容は知らないんだよね。

 だから、私が知らない所で、勝手に注文されて、私の目の前に、じゃがいものピザやタコのサラダ・ニンニク入りの油ギトギトの焼きうどんとかを持って来る。どうやら、肉とアルコールを除いたものなら食べられると思われたみたい。注文する前に言えばよかったけど、料理が届いてからでは遅いよね。もちろん、自分で注文した、かつおのタタキと寄せ豆腐は、安心して食べられたんだけどね。結局、それ以外も食べて、翌日、少し悪くなってしまったんだ。自分の状態を言うタイミングって難しいよね。


 99年9月25日 土曜日 平和な国、日本のクローン
 今月は、僕の住んでいる岐阜では、豪雨の為に洪水や土砂崩れによって、孤立した村とかがでるくらいの被害を受けた。こんなに被害を受けたのは、僕も経験がないね。幸い、僕の住んでいる所は、岐阜でも平野部の方だからよかったけど、山間部では、食料を人力で、山道を登って届けたりする所もでたんだ。

 阪神大震災の時もそうだったけど、こういう天災とかは、我々病気持ちにとっては恐いよね。食料の配給はあっても、エレンタールの配給や薬の配給なんて無いもんね。第一、水が無いと、エレンタールや薬も飲めないし。

 よくクローンは、食事さえ除けば普通に食事ができて、死ぬ怖れが少ない病気だと思われているし、クローン自身もそのように考えている人が多いよね。しかし、僕はあくまでも、「平和な国、日本」の中でという条件を知らず知らず、忘れているような気がするんだ。クローン患者が無事に暮らす為に、平和な国であり続ける努力もしていかないといけないよね。


 99年9月13日 月曜日 複雑な親心
 僕は、両親と同居しているけど、だいたい食事は自分で作っているんだ。結構、自分では偉いと思っているんだ。といっても、手のこんだ物は作らないですけどね。男の料理は、簡単・早いが特徴ですので。味は、2の次だね。

 しかし、それでも時々、母親が、僕の為に料理を作ってくれる事があるんだ。しかし、量が多いんだよね。「体調が悪くなるから、少ししか食べない」と言っても、茶碗のご飯もおかずも多いんだよね。親としては、子供にたくさん食べて欲しいという気持ちがあるんだろうなー。しかし、それが仇となるんだよね。こういう親心がわかるだけに、複雑な心境になるんだ。


 99年9月8日 水曜日 小腸移植
 ニュースで、名古屋大学の倫理委員会は、脳死者からの臓器移植で、小腸も移植する事を承認したと報道していた。脳死者からの臓器移植は、日本では最近になって始まったけど、小腸はおこなわれなかったんだよね。それが認められたという事は、腸疾患の僕等にとっては、気になる事だよね。海外での小腸の移植後の経過では、60%くらいの有効率らしいけど。

 まあ、移植の割合からみれば、クローンに移植される事は、なかなかないだろうけど、その内、移植を受けたクローン患者が出てくるかもしれないね。その時の手術も、1ヶ月の治療代14000円におさまるといいんだけどね。


 99年9月5日 日曜日 禁酒
 もう久しく、アルコール類を飲んでないんだ。もともと、アルコールは好きではなくて、家では、一切飲まなかったんだけど、「宴会好き男」だったので、みんなが集まる場でのお酒は好きだったんだね。

 お酒がはいると、気分が良くなるから良いよね。僕も、お酒の勢いとは言え、無茶な事もやったんだ。最近になって、あの雰囲気が、懐かしくてしょうがないんだよね。気が大きくなった感じもするし。クローンの人達は、まじめに考えすぎる人が多いから、アルコールみたいな効果のあるものが使えたら、良いのにね。そうすれば、クローンの集いも、もっと面白いものになるだろうに。


 99年8月28日 土曜日 やっぱり変わらない
 今日は、インターネット上で知り合った、同病のクローン仲間で、オフ会をやったんだ。今回で3回目だけど、段々人数が増えて、総勢11人といった大規模なオフ会になって、結構楽しかったよ。みんなでボウリングやカラオケをやったりね。

 それにしても、ボーリング場やカラオケBOXの受け付けの人達は、まさかこの集団が、持病が有る集団とは思わないだろうね。クローン病という特定疾患になっている病気が、10人以上集まっても、やっぱり、見た目は、分らないものね。ここがクローン病の特徴でもあるのだけど。


 99年8月21日 土曜日 圧迫死?
 今日の朝、地震があったみたい。僕が起きると、家族が騒いでいた。あまりにも熟睡していて、全然気がつかなかったんだ。もしそれが、家が潰れるほどの大地震だと、知らない間に、死ぬ事になっちゃうね。地震は、本当に怖いよね。

 しかしその前に、家が潰れて死ぬせよ、助け出されるにせよ、経管経腸をやったままで閉じ込められるのは嫌だよね。救出にあたったレスキュー隊員も、鼻注をやっている姿で出てくるとビックリするだろうからね。せめて、最後の力を振り絞って、チューブを抜きたいよ。


 99年8月14日 土曜日 思い出す、あの時を
 僕のお世話になっている病院に、久々のクローン病が生まれたらしい。あまり大きな病院ではないので、急増中のクローン患者も、それほどいないんだよね。

 それにしても、その新しく診断された人は女性らしいんだけど、経管経腸のビデオを見たら、泣いてしまったらしいんだよね。僕からして見れば、今はそんなビデオがあるだけでも、便利で良い様に感じるけど。やっぱり、クローン病を受け入れられる前だと、かなりのショックな出来事かもしれないね。こういう人を見ると、発病当初の自分を思い出してしまうよね。発病当初の自分って、なんだか思い出すと恥ずかしいよね。


 99年8月9日 月曜日 エレンは強し
 どうも世間では、野菜が高騰しているらしいんだ。去年の同時期より、約2倍の値段になっているみたい。クローン病になってからは、野菜コーナーを見ないので、あまり実感はなかったけど。

 しかし、エレンタールみたいに人工的に作られる栄養剤は、こういう点では強いよね。雨が降ろうが、雪が降ろうが、ちゃんと生産されるのだから。それに今の所、医療費の自己負担額は決まっているし。でも、主婦の話題に入っていけないのは、ちょっと寂しい感じがするね。


 99年8月1日 日曜日 先がわからないクローン
 最近は、コレステロール値が低いという事で、イントラリポス(脂肪の点滴)を1週間に1回の割合で、病院に通い、やってもらっているんだ。こんなんで、どれほどの効果があるかは疑問だけどね。やっぱり、1週間に3回は入れないと、効果がないような気が・・・・・。しかし、そんなにも病院に行くのは、嫌だけどね。

 しかし点滴室に行くと、いろんな人が点滴をやってもらっているんだね。でも、やっぱり多いのは、お年寄りだね。それにしても、お年寄りに点滴針を刺すのは、難しいみたいだね。看護婦さんも苦労しているし、患者さんの方も痛がっている。僕は、今は、針に対しては恐怖感がないけど、年寄りになった時の事を考えると嫌な感じだよね。クローン患者は、現在は若い人が多くて、年寄りが少ないからわからないけど、歳をとると不都合や辛い事も出てくるのかもしれないね。


 99年7月31日 土曜日 焼肉がキャンセル!!
 今日で、7月が終わってしまったんだね。何が言いたいかというと、ノストラダムスの大予言!そう、1999年の7月に何かが起こって、地球は滅びるはずだったんだよね。それが、結局、何も起こらなかった。

 前々から、地球が滅びる前に、バーベキュー大会をして、焼肉を食べまくろうと考えていたんだね。どうせ、地球上の人々が死ぬんだから、自分の体が悪くなろうとも関係ないからね。いわゆる、手術で、腸を切除する前に、いろいろと食べるのと一緒だね。だから、予言を心の支えともしていたんだけど、うまくいかないものだね。これで、焼肉を食べる予定がなくなってしまった。次回の焼肉の予定は・・・・・、予定がたたないな〜。


 99年7月26日 月曜日 トンカツ食べた
 昨夜、トンカツを食べたよ。といっても、夢の中だけどね。トンカツには、ソースがかかっていて、横にはキャベツの千切りが添えてあったね。それを食べる夢だから、非常に良い夢だったよ。

 しかし夢の中なら、僕等でもトンカツが食べられるんだね。もう一度、夢を見れないかな〜。自分の思う通りに、夢を見られれば良いのですけどね。しかし、衣の歯ごたえがなかったな〜。そこまでは、無理かな。


 99年7月20日 火曜日 エレンタールに感謝
 7/16のクローン街道では、エレンタールの事をちょっとボロクソに書いてしまったかな?しかし僕は、エレンタールには感謝しているんだね。だって、こんなにも再燃しているのに、手術をなんとか免れているのは、やっぱりエレンタールのおかげだし、入院回数が少ないのも、エレンタールのおかげだものね。エレンタールは、神様みたいなもの。よく、自分の家族には、言いたい事言って、本当は感謝しているのと同じだもんね。


 99年7月16日 金曜日 本当の栄養剤地獄
 職場や学校などで、エレンタールなどの栄養剤を飲んでいると、「飲ませて」と周りの人が言ってくる人も多いみたいだね。私のときは、周りの人が哀れんだ感じで、私を見つめるだけだったけどね。

 しかし、一口飲んだ人達が、「結構飲めるじゃん」「美味しいやん」とか言ってくる事が多いみたいだね。私も、初めて飲んだ時は、美味しいとは思わなかったけど、評判より結構飲めるもんだなと思ったよ。しかし、これを毎日飲むと気分が悪くなったり、飽きてしまったりするんだよね。ご飯が嫌いになったら、パンや麺類というように、エレンタールが嫌いになったら、次の栄養剤という訳にはいかないもんね。本当にエレンタールの嫌な所は、毎日という所だよね。本当に、蟻地獄ならぬ、エレン地獄だよ。


 99年7月10日 土曜日 クローンは、みな兄弟!
 いろんな病気には、遺伝というものがあるよね。近視・糖尿病等も、大なり小なり体質を遺伝しているみたい。やっぱり、遺伝子というものが決まっているからね。

 クローン病も、クローン体質というのを遺伝するみたいで、クローン病の身内は、普通の人よりは発病し易いみたい。クローン同士で、結婚して子供が生まれると、高い確率で、クローンになりやすいという事。という事は、クローンの人は、共通な遺伝子を持っているという事かな?すると、もしかしたら、僕等クローンの祖先は、同一人物かもしれないね。クローンみな兄弟だね。


 99年7月6日 火曜日 給食の選択
 新聞を見ていたら、ある小学校で、給食か弁当を選択できるという記事が載っていたんだ。読んでみると、アレルギーの子が多いから、そのような人を対象に選択できるようになったみた。僕等が、小さい頃は、食べられないと掃除時間まで食べさせられたけどね。

 しかし、最近クローンの子供も増えているから、選択できるとすれば便利になるな〜。学校の給食は、栄養があるものだけど、反対に考えれば、クローンには、ほとんど食べられないものだからね。でも、このような新制度は、ありがたいよね。

 99年6月26日 土曜日 飲食業泣かせのクローン病!
 今日、関東の方でインターネットで知り合った人達とオフ会をやったんだ。20人が集まって、結構楽しかったです。やはり、ネット上で話しているので、結構話しが盛り上がるしね。

 それで終わった後、2次会をやる事になって14人が参加したんだ。しかし、頼むものはウーロン茶やザル豆腐ばかり。あとは、刺身が少々。個室を14人で貸しきったのに、会計は1人あたり1000円だった。店としては、赤字だったかもしれないね。本当に、飲食業の人達からみれば、クローン病は儲からん集団だね。景気が悪いのにね。


 99年6月18日 金曜日 トイレ使用料?
 新聞を読んでいると、富士山のトイレの使用料を任意で微収すると載っていた。何でも、水がない山では、トイレの維持も大変らしい。

 最近では、クローンの人は思いきって、旅に出たりする人が多いけど、こういうのが出てくると困ってしまうよね。確かに、山小屋側の言い分もわかるけど。こういうのがあると、クローンの人は行きづらくなってしまうよね。クローンの特定疾患証を見せれば、無料という事にならないかな。しかし、糞害なんて言われると、結構ショックだね。


 99年6月16日 水曜日 クローンは、億万長者!?
 昨日は、3億円の宝くじの抽選日だった。今回から、1等の当選金額が一気にアップしたので、結構ドキドキだった。しかし、結果は惨敗!誰か、当選した人はいるのかな〜。

 しかし、クローン病の人は、宝くじに関して「低い確率で病気になったのだから、宝くじにも当たるんではないか」と一度は思う人が多いね。本当に当選していたら、クローンは億万長者ばかりだね。しかし実際は、そんな景気の良い話しは聞かないね。みんな黙っているのかな〜。少なくとも、私は当選した事がないよ。 


 99年6月13日 日曜日 入院は修行!?
 結構、知っている人が入院していくんだ。せっかく、会えると思った人が入院したりして、残念だったりする。入院するからには、元気になって退院して欲しいよね。

 でも、やっぱり入院するとほとんどの人が、体調がよくなる。入院中は、絶食する人がほとんどなので大変なんだけどね。完全に絶食するのだから、精進料理を食べるお坊さんより厳しい修行をしているという事になるかもしれないね。しかし、体が回復するのだから、病院は、ある意味ではすごい修行所だね。


 99年6月4日 金曜日 食事開始
 いよいよ食事開始になったんだよね。こんな僕を祝って下さいね。去年の6月だから、約1年間の絶食だったな〜。今まで3ヶ月間くらいの絶食は、何回もあったけど、1年ははじめて。本当に、よく我慢してきたよね。重湯からだけど、非常に楽しみにしてきたんだ。

 しかし、思ったより感動しなかった。「何でだろう」と考えてみたんだ。すると、1つの答えが。今まで何回も絶食してきて、その度に重湯から開始したので、この瞬間に身も心も慣れてしまったんではないかということだね。病気もわかってきたといえば、聞こえは良いけど、あまり感動しなくなって、冷静になったというのは寂しいもんだね。


 99年5月30日 日曜日 罰と病気の悪化、さてどっち?
 もうすぐ、食事開始の予定。そうなると、また再燃の恐怖があるけど、食欲は完全に抑えきるのは難しいよね。僕は、結構、出されたものは食べちゃうから、歯止めが効くか心配。

 でも、「食べ物を残すと罰があたる」ともよく言うよね。確かに、大切な食べ物を残すとそのままゴミ箱行きなので、神様から罰があたりそうだよね。しかし僕は、神様の罰より、クローンの悪化が怖いな〜。きっと、みんなもそう思っているのでは?


 99年5月24日 月曜日 祝!プレドニン離脱
 今日の病院の外来で、プレドニンを離脱する事が決まった。「ヤッター!」という気持ち。5年以上も飲んでいたので、本当に嬉しいと思うと共に、プレドニン離脱の為に、この1年よく、エレンタールだけでやり通したという満足感で一杯なんだ。去年、骨を折って以来、本当にプレドニンの怖さを知ったからね。

 これからは、プレドニンを飲まなくても良いように気をつけないとね。そして、骨を丈夫にしていかないと。でも、また暴飲暴食をしちゃいそうだな〜。


 99年5月18日 火曜日 クローン長者番付
 今年の長者番付が発表されて、相変わらず納税額にビックリしてしまう。世の中には、こんなにもお金を稼ぐ人がいるんだなーって、ため息がでちゃうよね。それに引き換え、無職の僕は・・・・・・。

 インターネットをやっている人達は、結構就職している人が多いけど、患者会とかに出ると無職の数の多さにビックリしてしまう。やっぱり、ネットをやる人は、それだけ余裕がある人なのだろうけど、一般的には、相変わらず就職というのは難しい問題として残っているんだろうね。しかし、クローンの人も頑張って長者番付にのると良いなー。僕も頑張らないとね。


 99年5月16日 日曜日 匂い訴訟!?
 今日の朝刊を読んでいると、面白い記事が目に入った。アメリカのある家庭が、隣の家の庭でやるバーベキューの匂いが迷惑という事で、訴訟を起こしたみたいなんだ。1審では、全面勝訴。2審では、家の庭の端っこでなら、月に5回までO.Kというような一部勝訴という感じになったらしい。しかし、ゴミとかの悪臭ではなく、バーベーキューの匂いというのが珍しいね。

 そういう事なら、只今、エレンタールだけの僕なんか、訴訟しまくりたいね。パン屋・ウナギ屋・焼肉屋・ラーメン屋とか山ほどあるね。でも日本では、全部敗訴するだろうね。その前に、全部やっていたら、裁判費用だけで破産してしまうな。何といっても、この世は、食べ物の匂いだらけなのだから。あ〜、食べたい・・・・・。


 99年5月13日 木曜日 臓器提供
 日本で2例目の脳死による臓器移植がおこなわれた。きっと、これからもどんどん増えていくのだろうね。これには、賛否両論があって、僕も両方の言い分共、納得する所があるので、どっちが良いとは言えないけど。まあ反対の人で、臓器を提供したくない人がいたら、それで良いと思うし。ただ、自分が、病気になって、移植するしか道がないとなってから、意見変わりするような事はしないでほしいね。

 でも、今回の臓器を提供した人の意思表示カードには、ほとんどの臓器が書いてあったみたいだね。しかし、それらの臓器は、全部使われなかったみたいだ。それが、どうもそれだけの体制が整っていないかららしいね。その中には、小腸も含まれていたみたい。クローン病では、なかなか命にかかわる病気ではないので、対象外になるかもしれないけど、クローン病の中には、小腸を切除したり、短腸症候群になっている人もいるのになーと思ってしまったんだ。しかし、今後はクローン病で、移植を受ける人も出てくるだろうね。


 99年5月11日 火曜日 鵜よ、ガンバレ!
 今日から、私の岐阜では、夏の風物詩である「鵜飼」(うかい)が始まったんだ。しかし、意外かもしれないけど、地元の僕は、まだ1回も見た事はないんだ。数少ない岐阜の有名なものの1つだから、岐阜人として、今年こそは遠目でも見る事ができたらと思っている。

 しかし、クローンの人の中では、肉とかを雰囲気を味わう為に、噛んで吐き出す人がいるけど、確かにそういう方法も良いなーと思うよね。胃の中に、食べ物を通さなければ良いのだから。今度、僕もやってみようかと思う。しかし、首の所を紐で縛って、魚を飲み込めないようにして、鵜に魚を吐き出させるのに似ているよね。きっと、鵜も僕達と同じ虚しさを感じているのかもしれないね。 


 99年4月29日 木曜日 クローン患者の名前
 知り合いのクローン病の人や患者会の名簿を見ると、結構、「健康でありますように」「幸せになれますように」といった願いを込めているような名前が多いね。きっと、親が名前をつける時に、一生懸命考えたのだろうけど。そういう僕も、健康で丈夫に育って欲しいという願いが込められた名前なんだ。

 でもやっぱり、クローンになると、願いは願いなんだなと、冷ややかに感じてしまうね。やっぱり健康や幸せは、自分で努力して勝ち取らなければいけないという事なんだね。


 99年4月23日 金曜日 クローンの方言
 
 「”If”クローン?」のコーナーで、もし発見者が、マクドナルドだったらというのを考えた時、大阪では「マクド」東京で「マック」と言うだろうと考えたのだけど、クローン用語で方言ってあるのかな?
 例えば、エレンタールとかでも、「エレン」「エタル」「エル」とかいった短縮語が出てきそうだし。でも、すでに「経管経腸」と「鼻注」・「管(くだ)」と「ルート」と自分の言い易い方で分かれているもんね。その内、この言葉が、地域化してくるかもしれないね。関東の方では、経管経腸と言って、関西では鼻注という感じでね。もっとも、どっちも間違った言葉ではないからね。


 99年4月16日 金曜日 医師資格
 最近は、本当に新聞に興味深い事が書いてある。今日新聞を読んでいたら、「医師の認定基準で、コミュニケーションを重視する」というような旨が書いてあったんだよね。

 先生の中には、確かに実力があるとは思うけど、こっちから話しかけづらい先生がいて、いつも先生の言いなりになる事もあるからね。やっぱり、僕等は、人間なのだから、機械を直すのと病人を治療するのと違うからね。そういう意味では、コミュニケーションを重視するというのは大歓迎だね。通院とかでストレスを感じるのは、バカバカしいし。でも、今の僕の担当医は、人間味溢れた先生で助かっているから、恵まれているね。


 99年4月15日 木曜日 クローンの特集
 昨晩、フジテレビのニュースの特集で、クローン病が取り上げられたんだよね。僕が発病した頃は、クローン病の事なんて、ほとんど取り上げられなかったんだけどね。ここ2〜3年の間に、結構テレビで取り上げられるようになったんだよね。変な言い方になるかもしれないけど、これも患者数が多くなってきたからだろうね。

 昨日のテレビの内容は、まあまあだったと思うね。10分という限られた中では、あれが精一杯という所と思うしね。第一、クローン病を説明しろと言われても、僕は答えられないし。クローン病は人それぞれだし、エレンタールも人によっては、美味しいと言う人もいるからね。そういう面では、数人の患者に絞るのではなく、数多くの患者さんが出演した方が良いかもしれないね。


 99年4月14日 水曜日 便利な世に
 今日も新聞を読んでいたら、大分県の病院で、慢性疾患に、薬の配達をするという記事が載っていた。病院としては、利益は度外視した「患者の為のサービス」という事らしい。

 こういう事が一般的になると、便利になるよね。関東や関西では、県境を越えて、クローン治療に有名な病院に通っている人もいるから、配達とかしてくれると本当に助かるものね。これからも、慢性疾患にとって、便利な事が出てくると良いね。


 99年4月8日 木曜日 クローンをばら撒いたら・・・・
 今日の朝の朝刊を読んでいる中で、小さな記事が気になったんだ。アメリカで20代の男性が、エイズであるのに、それを黙って麻薬を10代の少女に渡す代わりに、性交渉をして感染させたらしい。その判決が、懲役1ヶ月という事で、被害者からクレームが出ているという記事だった。同じような記事は、何回か今までにも見た事があるけど、悪い事をするなーという反面、そういう気持ちがわからんでもないと思っちゃうんだ。

 僕も病気になった当初は、孤独感というのに襲われて、普通に食事をして幸せな人を見ると妬んでしまってたんだよね。その時「みんなクローン病で、同じ立場だったら良いのにな」と考えてしまったりしていたんだ。「何故、自分だけが・・・・・?」という問いかけは、全員ではないと思うけど、きっとかなりの人が思ったんじゃないかな。今では、そのような考え方をしなくなったけど、クローンも感染する病気だったらと思うと、理性を失う人も出てくるのだろうね。そう考えると、クローンが感染する病気でなくて、本当によかった。


 99年4月1日 木曜日 難病雇用均等法!?
 今日から、いよいよ男女雇用均等法が施行された。採用時に、男女を問うてはいけないんだよね。だから、今まで女性しかいなかった職場に男性が進出したり、反対に男性ばかりの職場に女性が進出したりしてくるみたいだね。でも結局、それは建て前で、受け付けは女性しか採用しないとか出てくるんだろうね。

 でも、採用時に健康を問わないというのがあると良いね。「難病雇用均等法」みたいなのができて、難病者を採用試験で、差別してはいけないとかね。今の求人広告は、ほとんどが「健康な人」というのが、最低の条件になっているものね。まあ、外国にもない制度だから、福祉に関しては、後進国の日本では、無理だろうね。

 99年3月28日 日曜日 クローンの新生活
 この時期に、ショッピングに出掛けると、4月から新しく生活をする人の為の、「新生活コーナー」というのがあるんだよね。そのコーナーに、親を連れた若者が、鍋や食器を選んだりしているんだよね。

 しかし、クローンの人は、1人生活をするとなったら、何を揃えるのだろうね。正直言って、クローンによっては、食事をとらない人がいるから、鍋・フライパン・茶碗を買わない人もいるのかな?最終的には、台所用品は、お湯を沸かす「やかん」があれば、問題無いかもしれないね。何か、寂しい台所になっちゃうね。


 99年3月23日 火曜日 病院の経費削減
 最近、病院も赤字の所が多いと耳にする事がある。患者の数は増えているのに、おかしいものだね。余程、怠慢な経営をしているのかな?その対策で、最近の病院では、外来時間の延長・休日診療等をやる所が増えてきたみたいだね。

 その内、病院内の経費削減もするようになるだろうね。注射器の本数をチェックして、無駄遣いをしないようにしたり、ガーゼ交換も、1人の患者さんに使う量を決めたりね。そうなると、患者にとっては、今までの融通が効いた病院ではなくなるんだろうな。僕は、正直者が好きなタイプだけど、何か複雑な気分なんだ。


 99年3月16日 火曜日 クローンは、早く成仏!?
 テレビを見ていたら、心霊写真特集をやっていた。僕は、恐がりなので、このようなテレビを見ると、夜釣りとかに行けなくなってしまうんだよね。夜釣りなんて、他に釣り人がいる事が少ないからね。それに、海は、いかにも水死とかが多そうだし。

 しかし、心霊写真の解説を聞いて見ると、「この世に、未練があって、成仏できない霊」というのが多い。未練があって、成仏できなく地縛霊になるとは、よほど良い生活をしていたのかな?僕が、不慮の事故を起こして、死んでしまったら、早く成仏して、早く生まれ変わるけれどね。そして、来世では、好きなものをたくさん食べたいね。とにかく、食べる事のできないこの世には、あまり未練はないね。僕が死んでも、決して、地縛霊にならないから、みなさん安心してね。


 99年3月12日 金曜日 腸不満足!
 最近、「五体不満足」という本が、売れに売れている。かなりのロングセラーで、手足がなく、電動車で動き回る生活をしている人が書いている本なんだけど、書いた本人も、ここまで売れるとは思っていなかっただろうね。どうも、この人の、文章の表現力も、人をひきつける魅力みたいだね。僕は、お金がないので、この本は、古本で買おうと思い、まだ読んでないけど、テレビでは何回か、本人を見た事があって、笑顔がすばらしい。

 それにしても、「五体不満足」という題名も面白いよね。「五体満足」という言葉の否定形で、そのような表現をするなんて。しかし、昔から、「五体満足」というのは、健康体のシンボルで、五体というのは「頭・両手・両足」の事を指すんだけど、これが揃っていれば、健康なら、クローンは健康なんだよね。でも、実際にはそうではないよね。敢えて言うなら、「腸不満足」という所かな。

 それなら僕は、「五体満足、腸不満足」という本でも、書いてみようかな?表紙は、経管経腸をやっている自分が、笑顔で、ステーキをゴミ箱に捨てる写真を載せて。何冊売れるかな〜?


 99年3月3日 水曜日 アイドルがクローンに!?
 最近、芸能人の低年齢化は、すごいよね。16歳くらいなのに、CDを何百万枚と売ったり、中学生くらいのグループが、ヒット曲を飛ばしたり。そして、アイドルではなく、「チャイドル」といった、低年齢のアイドルが、注目を浴びたり。僕より、はるかに収入が多いから、羨ましい限り。

 でも、ここで思うのは、みんな今後、クローンになるかもしれない年齢にさしかかるという事だね。10代後半から、20代が、クローンの発病が一番多いものね。そして、クローン病の増加は、著しいものね。この事を考えると、トップアイドルやスターだった人が、「クローン病になった」とワイドショーで、記者会見をするのも、時間の問題のような気がするな〜。でも、いきなり記者会見をしたら、記者の人達は、「クローン病。何それ????」という感じで、すぐ病院の先生の所へ向かうんだろうな。そうなれば、少しは、クローン病の事が、世の中に認知されるかもしれないね。


 99年2月28日 日曜日 森下ルセルは、不況に強い!?
 最近のニュースは、「不況」「失業者」「倒産」等、暗い話題ばかりで、僕のような病気持ちは、特に、将来が不安だね。そんな中、クローン病患者は、増加の一途をたどっているしね。あ〜不安だ。

 でもそうすると、エレンタールを飲む人は、増加しているという事だね。という事は、エレンタールを扱っている「森下ルセル」は、成長株だね。毎年、多くのクローン患者がうまれているから、絶対業績が、前年割れというような事にならないだろうね。不況に強い会社というのも、あるもんだね。


 99年2月19日 金曜日 容器の再利用!?
 今日は、ニュースを見ていると、名古屋のゴミ埋めたて候補地だった藤前干潟の埋め立てを止めたと決定したとやっていた。これで、野鳥を始め、多くの生き物が助かったね。よかった、よかった。でも、喜んでばかりはいられないね。名古屋市は、ゴミの量を20%削減する努力をするらしい。

 僕は、名古屋市民ではないけど、ゴミの問題は、耳が痛いね。普通の食事が食べれたら、包装されてない野菜や、発泡スチロールのトレイは、スーパーに持っていけば、再利用されたりして、ゴミの量は減らす事ができるけど、エレンタールのゴミの量は減らせないからね。まさか、1日5パックのエレンタールを4パックにすると、ゴミを20%減らす事になるけど、そんな事はできないからね。

 エレンタールも、詰め替えパックというのがあると、ゴミの量が減るかもしれないけどね。その前に、経管経腸で使っている容器やチューブが、再利用できれば良いけどね。牛乳ビンのように、洗浄消毒してね。でも、そうなると、医療費の高騰を招くかな?でも最近、ゴミを出す度に、少し心が傷むんだ。


 99年2月6日 土曜日 発病前に戻れたら
 今年の春のドラマは、なかなか面白い。その中でも、毎週土曜日にやっている、「堂本剛」が主演のドラマは、ストーリーが面白いんだな、これが。現在の記憶をもったまま、5年前に戻って、人生をやり直すという内容。

 僕は、これを見ながら、5年前は発病していたからダメだけど、10年前に戻れたら良いな〜と考えちゃうんだよね。そしたら、できるだけクローンにならないように、努力をするだろうね。そして、仕事も、公務員とかを目指して、いざ発病した時の生活にそなえるだろうね。

 まあ、過去に戻って、人生をやり直すなんて、まず無理だけどね。でも、このドラマを見ると、考えずにはいられないんだ。


 99年2月2日 火曜日 地域復興券
 とうとう、15歳以下と65歳以上の条件を満たしている人に、地域復興券が配られ始めたね。でも、どうして対象が、このような人達だけに限られているのだろう。難病者にも、配られても良いのにね。せめて、2万円じゃなくてもいいから、半分の1万円だけでも貰えると良いんだけどね。

 地域復興券で、危惧されたのは、生活費として使われて、景気に繋がらないのではないかという事だよね。いわゆる食費とかだね。その点、クローン病の人に、地域復興券を配れば、食費に消える分が少ないのにね。政治家の人達へ、景気を回復するには、クローン病の患者に、地域復興券を配りなさいと言いたいよね。


 99年1月22日 金曜日 医療費増加
 今日の新聞を見たら、1998年度の医療費が30兆円を超えたらしい。1990年度が、20兆円だから、すごい増加率だな〜。これは、由々しき問題だね。

 医療費が増えても、国の税収は増えるもんじゃないからね。このままでは、国の財政が完全に破綻するか、患者から医療費をたくさんとるかくらいしかないからね。そうなると、クローン病患者にも、完全にしわ寄せがくるね。景気が悪いほかに、医療費の増大。最近の世の中は、クローンにとって、厳しいものになっていっているね。


 99年1月20日 水曜日 IVH抜ける
 今日の外来で、入院時からやっていたIVHを抜く事ができた。今日からは、エレンタールを経管経腸と経口でやっていくんだ。

 でも、IVHをやっていないと、自由に動けるもんだね。こうやってみると、僕的には、IVHより、経管経腸の方が、夜間だけ繋がれているだけなので良いな〜。やっぱり、何ももたずに歩くって気持ち良いね。


 99年1月17日 日曜日 治療法か5万人達成か?
 最近、患者数が5万人を突破した潰瘍性大腸炎が、特定疾患をはずされるのではないかという話しを聞くようになってきた。噂だけなら良いけど、難病の条件として、患者数が5万人以下という項目もあるので、そういったことを考えると信憑性もあるしね。

 でもクローン病も、特定疾患の中では、患者数が多い方で、しかも患者の増加の仕方が、尋常でないんだね。この分でいくと、5万人達成も、あっという間かもしれないなー。そうなったら困るよね。エレンタールを使っているクローンの人は多いし、そうなると医療費はかさむし。そう考えると、患者数が多い欧米で、エレンタールが保険適応品になってなく、薬物療法に頼っているのも、医療費の事があるんじゃないかと疑っちゃうよね。

 こうなってくると、一刻も早いクローン病の治療法が出来る事を祈るのみだね。クローン病が5万人が早いか、治療法確立が早いか。神のみぞ結果を知っている、なんともやり切れないレースだね。


 99年1月14日 木曜日 医療ミス
 横浜の病院で、患者を取り違えて、手術をしてしまった。最近のニュースは、こればかり。でも、こういう医療ミスは恐いね。この世は、絶対というものがないんだからしょうがないと言えば、それまでなんだけどね。

 しかし、このニュースを見て、ビクビクしていたのは、家族では僕だけだった。それだけ、病気になると、こういった医療ミスが恐く感じるんだね。明日は、我が身という感じで。


 99年1月5日 火曜日 エレンの飲み方
 テレビを見ていたら、去年注目されたCMの事をやっていて、上位に永○園のお茶漬けのCMがきた。そう、あの音出しながらすするように食べるCMだよね。あれは、行儀が悪いという意見もあるようだけど、インパクトが強く、いかにも美味しそうで、すごく引かれるという意見が多数だったらしい。

 僕も、あのCMは、成功だと思うね。あんな風に音出して食べると、本当に美味しそうにみえるもんね。そこで、僕もひらめきました。これは、いけるんじゃないかな。早速エレンタールをおもいっきり音を出して飲んでみたんだ。

 「・・・・・・・。」
やっぱり、エレンタールには適用されないみたいだね。エレンタールは、エレンタールか。


 99年1月3日 日曜日 願い事
 ニュースを見ると、今年も初詣で、賑わっているみたいだね。でも僕は、今年は、在宅IVHで出掛けるのが面倒なので、家に篭っていようと思うけどね。こうやって、初詣のニュースを見ると、みんな真剣に願い事をしているね。

 しかし、クローンの人は、初詣の時も、流れ星を見た時も、絶対に「クローン病が治りますように」とお祈りするだろうね。僕も、いつもそうだからね。お寺にある、線香の煙を良くしたい所にかけるのがあるけど、病気になる前は、顔や頭にかけていたけど、今では、まずお腹にかけるもんね。

 発病してから、何回、病気が治るようにお願いしたか分らないけど、効き目が全くないね。「やっぱりなー」と思いつつ、でも、これからも病気が治るように願い続けるのだろうね。


 99年1月1日 金曜日 おせちエレン?
 みなさん、明けましておめでとうございます。今日から、新しい年だね。今年も無事に過ごせると良いけど。入院はしないように、気をつけようっと。

 ところで、12月の下旬から、エレンタールを飲み始めて、只今、エレンタールと在宅IVHの併用で過ごしているんだ。しかし、今年の正月は、おせちもお餅も食べられない寂しい正月になっちゃった。悲しいな〜。

 今日も正月早々、ヨーグルトフレーバーで味付けしたエレンタール。相変わらず変わり映えの無い飲み物だこと。でも、メーカーの方も、季節限定フレーバーみたいのを出して欲しいよね。クローンだって、正月はおめでたいんだから。