ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その１０１

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

六

ⅴ

「まさか鍋がでてくるとはねえ……」

　さきほどの金具といいこの黒い鍋といい、

なんだか不思議なものばかりを手に入れている。

「本当にこんなのが黄金梅への鍵になるのかしら？」

　首をかしげながら自転車のところへ戻り、

忘れていたことを思いだした。　

「大変！　自転車返さないと！」

　麻里は急いで自転車に飛び乗ると、一路先刻の寺へ戻った。

だが、いざ目的地へ着いてみると肝心の律子たちの姿が見えない。

「ええ！　まさか帰っちゃったとか？」

　いったいどうすればいいのだろう。

（こういう場合、学園へ戻るとかのほうがいいのかしら？）

　だが、初等部は今日休みだったような気がする。

（本当にどうしよう……）

　混乱する頭で思案していると、メールの受信音が響いた。

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