ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その７４

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

五

ⅶ

「ええっと、それで、私たちどこへ向かえばいいんでしょう？」

　満の熱のこもった眼差しに耐えきれなくなったのか、

麻里が目線を逸らしながら口火を切る。

「ああ、そうだな……

そういやーお前、次の種のありかは知ってるのか？」

　青年の一言に麻里の表情が変わる。

先ほどまでの困惑した様子がいつの間にか消え、

力強く満を見つめている。

「いいえ。次も種がいるんですか？」

「ああ。大抵何かを生やしたら、

同じ場所に次の種のヒントがあるはずなんだ」

「え？　で、でもそんなのどこにもないみたいですけど……。

梅の木も消えちゃってるし」

（もう、なんなの！

せっかく今度こそは２人のラブシーンが見られると思ったのに）

　真面目な顔つきで話し合う２人に律子は頬を膨らます。

しかし、そんなこちらのことなど眼中にないのか、

彼らの会話は続いていた。

「いや、同じ場所っていうのはこの場合この寺の中って意味だ」

「なるほど。

んーでもここのお寺にそんなヒントになりそうなところなんて」

「ちょっと無視なの？　って、何２人の世界作っちゃってるのよ」

　律子は、勝手に話を進める２人に割り込んだ。

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