ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その８５

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

五

ⅹⅷ

「え？　オレが教えるのか？」

　自身に指をさし尋ねてくる満に対し、麻里は首を上向ける。

「だって踊れるんですよね？」

　踊れるのだから教えることだってできると思うのだが。

不思議に思って尋ねると、満が腕を組み答えてきた。

「踊れるか踊れないかで言えば踊れるが人に教えられるほど

覚えていない」

　そうか。確かに自分でやるのと他人に教えるのとでは、

またやり方が違うのかもしれない。

麻里は律子へ視線を移す。

「じゃ、じゃあ律子さん教えてください」

「え、私？　しょうがないわねー」

　律子は溜め息をつきつつ、まんざらでもない様子で手招きしてきた。

「じゃぁ、とりあえず、私の後ろについてまねてみて」

「わかりました」

　麻里は頷くと、律子に言われるまま後ろにつき一礼する。

「よろしくお願いします。あ、あの、私本当に覚え悪いですからね」

　本当はやりたくないのだがしかたがない。

言い訳気味に念を押すと、律子がにこやかに手を振ってくる。

「大丈夫よ。簡単だから。満くんは麻里さんの後ろね」

「おう」

　律子の言葉に満が肯定し列をつくった。

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