ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その９２

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

五

ⅹⅹⅴ

「いやこれを植えて黄金梅が咲くわけじゃない。

黄金梅を咲かせるための鍵がもらえるだけだ」

　端的に事実を伝える満の言葉に律子が首をかしげる。

「そうなの？　ってこの種どうするのよ？」

「近くの神社で埋めるとまた新しい鍵がでてくると思うんです」

　麻里は話をスルーされたことに少しばかり傷つきつつ、

律子の問いに答える。

だが律子は納得がいかなかったようで、

種を陽に翳しながら眉根を寄せてきた。

「近くの神社？　ってここら辺に神社なんてあるかしら？」

「それは私にもわかりません……」

　問いかけてくる律子に麻里もかぶりを振る。

返答に困って満へ視線を送ると、満が腕を組んだ。

「神社に植えるのは正しいが、寺から種をもらった場合は

その寺になんらかの関わりがある神社でないと植えても意味がないぞ」

「そうなんですか……」

　満の言及に肩を落としていると、

満が励ますかのように明るい声で首肯してくる。

「ああ。寺の歴史とかを探ればわかるはずだ」

「わかりました。探してみます」

　優しげな満の言葉に慰められ、麻里はこくりと首を縦に振った。

to be continued...

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