Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IG




「あー、温泉のお湯になって紅の肌にまとわりつきたい」


 思ったままを口にすれば、

涼介の楽しげに笑う声が聞こえてくる。


「あはは。碧さんの愛情表現はたまに過激ですねー」


 涼介が何かを探すように見回しながら部屋の中へ入る。

碧も荷物を持ったまま彼のあとへ続く。


 10畳ほどの広さのある室内に1歩足を踏み入れると、

井草の香りが鼻をくすぐった。

中央には黒光りした6人がけの長方形の低い机が置かれている。

入り口から見て対角線にテレビがあり、

その隣には木に青々と実った梅の実に

雪姫がそっと手を添えている掛け軸がかけられていた。


「そんなことないですよ。まだまだ足りないくらいですから」

「いいなー。やっぱり絆ですねー」


 碧が床の間付近へ持ってきた荷物を置くと、

涼介が鼻歌を交えながら部屋の中をうろうろと探索していた。










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