Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
II@
塀の向こう側ではみのりたちの会話が続いている。
「だからって水かけることないじゃない」
憤慨したようなみのりの声に雪姫が尋ねる。
「気持ちよかったマロ?」
「突然で驚いたけどね」
高く柔らかな声が涼介の耳をくすぐり、涼介は息を呑んだ。
(なんだ? まだ浸かったばかりなのに、なんだか熱い……)
首まで浸かり息を吐きだしていると、今度は紅の声が聞こえてきた。
「雪姫、私にも冷たい水」
「はっ、もしかしたらこのお湯は女湯のお湯とつながっているのか……」
紅の発言に反応したのか、碧がお湯をすくいつつ呟く。
「え!?」
考えもつかなかったことを言われ、涼介もお湯をすくってみた。
(これがみのりさんのお湯とつながってるってことは……)
湯船の中でほんのりと桜色に染まっているだろう
みのりの白い肌を思い浮かべ、体温がますます上昇する。
(まずい! まずいぞ、これは!)
どうにかして別のことを考えなくては。
きざしてきてしまった身体を抑えようと苦心していると、
ぱしゃりと音がした。
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