Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




II@




 塀の向こう側ではみのりたちの会話が続いている。

「だからって水かけることないじゃない」

 憤慨したようなみのりの声に雪姫が尋ねる。

「気持ちよかったマロ?」

「突然で驚いたけどね」

 高く柔らかな声が涼介の耳をくすぐり、涼介は息を呑んだ。

(なんだ? まだ浸かったばかりなのに、なんだか熱い……)

 首まで浸かり息を吐きだしていると、今度は紅の声が聞こえてきた。

「雪姫、私にも冷たい水」

「はっ、もしかしたらこのお湯は女湯のお湯とつながっているのか……」

 紅の発言に反応したのか、碧がお湯をすくいつつ呟く。

「え!?」

 考えもつかなかったことを言われ、涼介もお湯をすくってみた。

(これがみのりさんのお湯とつながってるってことは……)

 湯船の中でほんのりと桜色に染まっているだろう

みのりの白い肌を思い浮かべ、体温がますます上昇する。

(まずい! まずいぞ、これは!)

 どうにかして別のことを考えなくては。

きざしてきてしまった身体を抑えようと苦心していると、

ぱしゃりと音がした。










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