Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
IIA
「……気持ちいい」
紅の呟きにみのりの声が重なる。
「ちょっと、雪姫そんなに身を乗り出したら桶から落ちちゃうからー」
「大丈夫マロ。わらわはそんなことで転びは……おっとっと」
「きゃー! ちょっと雪姫大丈夫?」
ばしゃばしゃとお湯の揺れる音とともに、
みのりたちの会話が続く。
「雪姫、桶、入る」
「イテテ…マロ…あー!! わらわの水風呂が」
「もう一回作ってあげるから待ってて」
水道の邪口をひねる音が聞こえると、
隣にいた碧が盛大な溜め息をついた。
「あー、僕はなんで男湯にいるんだろう?
家族風呂だったら紅と今頃……」
「は、はあ……」
もし家族風呂だったら、と想像しさらに顔が蒸気する。
消しても消しても浮かんでくるみのりの白い肢体を夢想しながら、
涼介はうわの空で頬をかいた。
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