Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIA




「……気持ちいい」

 紅の呟きにみのりの声が重なる。

「ちょっと、雪姫そんなに身を乗り出したら桶から落ちちゃうからー」

「大丈夫マロ。わらわはそんなことで転びは……おっとっと」

「きゃー! ちょっと雪姫大丈夫?」

 ばしゃばしゃとお湯の揺れる音とともに、

みのりたちの会話が続く。

「雪姫、桶、入る」

「イテテ…マロ…あー!! わらわの水風呂が」

「もう一回作ってあげるから待ってて」

 水道の邪口をひねる音が聞こえると、

隣にいた碧が盛大な溜め息をついた。

「あー、僕はなんで男湯にいるんだろう?

家族風呂だったら紅と今頃……」

「は、はあ……」

 もし家族風呂だったら、と想像しさらに顔が蒸気する。

消しても消しても浮かんでくるみのりの白い肢体を夢想しながら、

涼介はうわの空で頬をかいた。










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