Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIC




「もう一度わらわが冷やすマロ?」


 雪姫が心配げな様子で紅をちらちらと見る。


 紅の意識はハッキリとしているし、

湯船から少し出ていればすぐに良くなるだろう。


「そうね、とりあえず、

しばらくお湯につからないほうがいいかもしれないわ。

雪姫の水風呂は今から作るから待ってて」


 まずはちょこまかと動こうとする雪姫の足を止めなくては。

小さな身体で必死に走る姿は目を和ませるが、

湯船に落ちてしまうのではないかと心が落ち着かない。


 みのりが転がった桶を取りに行くと、

壁の向こうから勢いよく湯船から立ち上がる音が聞こえてきた。


「紅が湯あたり?」

「碧さん?!」

「お嬢様! 紅は大丈夫なんですか?

紅ー! 今から僕がそっちへ行くから待ってるんだよ」


 みのりは突然飛び込んできた耳慣れた声に目を見開いた。










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