Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
IIC
「もう一度わらわが冷やすマロ?」
雪姫が心配げな様子で紅をちらちらと見る。
紅の意識はハッキリとしているし、
湯船から少し出ていればすぐに良くなるだろう。
「そうね、とりあえず、
しばらくお湯につからないほうがいいかもしれないわ。
雪姫の水風呂は今から作るから待ってて」
まずはちょこまかと動こうとする雪姫の足を止めなくては。
小さな身体で必死に走る姿は目を和ませるが、
湯船に落ちてしまうのではないかと心が落ち着かない。
みのりが転がった桶を取りに行くと、
壁の向こうから勢いよく湯船から立ち上がる音が聞こえてきた。
「紅が湯あたり?」
「碧さん?!」
「お嬢様! 紅は大丈夫なんですか?
紅ー! 今から僕がそっちへ行くから待ってるんだよ」
みのりは突然飛び込んできた耳慣れた声に目を見開いた。
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