Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIF




「お嬢さま、肌、つるつる」

 紅の言葉に落ちつきかけていた心が跳ね上がった。

心音が痛いほど鳴り響き焦りが募る。

(やばいやばいやばい……)

 こんなことが碧さんに気づかれては大変だ。

「へ? 何言ってるのよ紅?」

 みのりの声が聞こえる。

涼介は碧の腕を握ったまま、

頭の中で姪っ子が好きな雪姫の歌を思い浮かべた。

だが、そんな必死の努力もむなしく紅の発言が耳へ届く。

「温泉効果?」

「う……」 

 邪気のない疑問符に体温が一気に上昇した。

我慢できず口元まで湯につかる。

その拍子に、うっかり碧を離してしまった。










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