Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
IIF
「お嬢さま、肌、つるつる」
紅の言葉に落ちつきかけていた心が跳ね上がった。
心音が痛いほど鳴り響き焦りが募る。
(やばいやばいやばい……)
こんなことが碧さんに気づかれては大変だ。
「へ? 何言ってるのよ紅?」
みのりの声が聞こえる。
涼介は碧の腕を握ったまま、
頭の中で姪っ子が好きな雪姫の歌を思い浮かべた。
だが、そんな必死の努力もむなしく紅の発言が耳へ届く。
「温泉効果?」
「う……」
邪気のない疑問符に体温が一気に上昇した。
我慢できず口元まで湯につかる。
その拍子に、うっかり碧を離してしまった。
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