Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIG




(いけね!)

 慌ててもう一度碧の腕を掴もうとするが、

ひらりと躱されてしまう。

もしここで彼を女湯にいかせてしまったら、

と考え肝を冷やす。 

そこへ追い打ちをかけるようにみのりの声が降ってきた。

「そうかもしれないわね。

でもそれだったら紅だってつるつるしてるわよ?」

「紅がつるつる? 紅ー!! 今、そっちへ行くからね」

 ばしゃばしゃと碧が脱衣所に向かってお湯を駈けだす。

「だ、だめですってば! 碧さん!」

 涼介は急いで碧の後を追い、彼の腕を今一度掴んだ。

「兄さん、来たら、絶交」

 ほっと息をついていると、

紅の冷静かつ冷たい言葉が飛んでくる。

「べ、紅ー」

 膝をついてそのまま湯船に沈む碧の後ろで、

涼介は今度こそ胸をなでおろした。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析