Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIH




「ふー……」

 深く息をついていると雪姫ののんきな声が聞こえてくる。

「みんなで入ったら楽しいマロよ?」

「今だって十分楽しいでしょう?」

 みのりの問いかけに紅の声が混じった。

「雪姫、水風呂」

「わぁー、ありがとうマロー」

 嬉しげな雪姫の言葉にみのりの小さな声が響く。

「紅、雪姫の気をそらしてくれてありがとう」

「お嬢さま、湯ざめしちゃう」

「そうね。もう一度入ってから出ましょうか」

「はい」

 くすくすと愉快げな笑い声とともに、

ちゃぽんと小さな音が届いた。

(やれやれだよ、まったく)

 力の入ってしまった肩を軽く揉んでいると、

唐突にみのりが声をかけてきた。

「あっ、そうだ、涼介」

「え? なななな、何?」

 平静を装うも声が裏返ってしまう。

内心で冷や汗を流していると、

みのりが朗らかな声で言葉を紡いできた。

「申し訳ないけど碧のことお願いね」

「あ、ああ。わかった」

 こくこくと頷きながらも、少々色気のない言葉に

心の内でこっそり溜め息をついた。










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