Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIIB




「わらわも、わらわもマッサージとやらを所望するマロー」


 しかし雪姫が待っていましたと言わんばかりに大声をあげる。

そのせいで碧たちの会話を聞くことができなかった。


 残念に思う反面、

両手をぶんぶんと上下に揺らして強請る雪姫の姿に、

深く刻まれた眉間のシワが綻ぶ。


「ふふふ。それじゃぁ、雪姫には私がやってあげるわ」


 小さな体にツボなどあるのかと一瞬考えたが、

とりあえず自分と同じような場所を押せばよいだろう。

紅に比べれば拙いかもしれないがそんなに大差はないはずだ。


 みのりは紅の見よう見まねで雪姫の体へゆっくりと指先を

近づけた。

シミ1つない真っ白でプックリとした二の腕に触れた途端、

みのりは瞳を見開く。


「きゃー、雪姫もすべすべのつるつるー」

「うひっ。く、くすぐったいマロー。

きゃはは、そこはやめるマロー」


 自身の腕を触るより雪姫の肌を触ったときのほうが

スベスベな気がするのはなぜだろう。

みのりは逃げ出そうとする雪姫を抑えつけ、

マッサージという名のくすぐりを続けた。










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