Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
IIID
「さて、出ましょうか」
「はい」
涼介は碧に従い脱衣所へ向かう。
身体を拭き服に着替えていると、
ふいに携帯の液晶が光っているのが見えた。
頭をタオルで拭きながら液晶を確認する。
「あ、やっぱり兄貴からだ」
律儀な人だ、と溜め息混じりに呟いていると、
すっかり着替え終えた碧が声をかけてきた。
「おや、また電話ですか?」
「はい。ちょっと連絡してみますね」
さっそく携帯を持って外へ向かう。
すると、背後から呆れたような声が聞こえてきた。
「心配性な兄上なんですね。
ですがあまりにも過保護だと反発したくなりそうですね」
憤慨したような碧の言葉に、涼介は苦笑う。
「過保護とはちょっと違う気がしますよ」
反抗したいのはやまやまだがどうしても兄のほうが上手なのだ。
さて、どう説明したものか。
頭をかいていると、碧が肩をすくめてきた。
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