Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IIID




「さて、出ましょうか」

「はい」

 涼介は碧に従い脱衣所へ向かう。

身体を拭き服に着替えていると、

ふいに携帯の液晶が光っているのが見えた。

頭をタオルで拭きながら液晶を確認する。

「あ、やっぱり兄貴からだ」

 律儀な人だ、と溜め息混じりに呟いていると、

すっかり着替え終えた碧が声をかけてきた。

「おや、また電話ですか?」

「はい。ちょっと連絡してみますね」

 さっそく携帯を持って外へ向かう。

すると、背後から呆れたような声が聞こえてきた。

「心配性な兄上なんですね。

ですがあまりにも過保護だと反発したくなりそうですね」

 憤慨したような碧の言葉に、涼介は苦笑う。

「過保護とはちょっと違う気がしますよ」

 反抗したいのはやまやまだがどうしても兄のほうが上手なのだ。

さて、どう説明したものか。

頭をかいていると、碧が肩をすくめてきた。










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