Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IA




「君って本当に性格最悪だよね」

 どうしてこうも彼女は挑発的なのだろう。

若干うんざりしながら半眼で告げると、みのりの頬に朱がさした。

「あ、あんたにだけは言われたくないわよ!」

 怒鳴りつけてくるみのりに涼介は肩をすくめてみせる。

「どうかな? 俺も相当傷つけられたからね」

 昨日の夢の影響かまだ古傷が疼いているというのに、

傷をつけてきた本人はまったく覚えていないらしい。

(まさか覚えてないとかか?)

 いじめでもやった本人が覚えていないというのは、

よくある話である。

(やれやれ……)

 溜め息をついていると、

みのりの後ろに控えていた少女が呟いた。

「悪口、最初に言ったほうが性格最悪」

 まったくである。

涼介は大いに頷き、みのりの付き人へ微笑みかける。

「紅さん、君って本当にいい子だね」

 なぜこんなにいい子が我が儘お嬢様に付き従っているのだろう。

不思議に思っているとみのりが心外そうに指をさしてきた。










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