Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




B




「美味であったマロー!

あ、そういえばわらわはかき氷を所望していたマロ」

「そういえば……」


 みのりは当初の要件を思い出し、近くあった鞄を漁り始める。

手に触れた固い円盤型の金属を取り出し、

テーブルの上へ静かに置いた。


「これって、そのかき氷を作る部品だと思うんだけど……」


 くるんでいた布を外しツンと人差し指でつついてみると、

涼介が真面目な顔つき頷いてきた。


「ああ。俺もそう思う。

俺の協力者が持ってるやつも削るときに使う取っ手じゃないかと

思うよ」


 何気になく漏らされた情報に一瞬、思考が停止する。


(取っ手? 取っ手って何?

かき氷作るのに取っ手が必要なの?)

「ほー、涼介君も部品を生やしていたのですね」

「はい。正確には協力者が生やしたんですけどね」


 みのりは平然と話を続ける涼介の顔をまじまじと見つめた。










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