Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
B
「美味であったマロー!
あ、そういえばわらわはかき氷を所望していたマロ」
「そういえば……」
みのりは当初の要件を思い出し、近くあった鞄を漁り始める。
手に触れた固い円盤型の金属を取り出し、
テーブルの上へ静かに置いた。
「これって、そのかき氷を作る部品だと思うんだけど……」
くるんでいた布を外しツンと人差し指でつついてみると、
涼介が真面目な顔つき頷いてきた。
「ああ。俺もそう思う。
俺の協力者が持ってるやつも削るときに使う取っ手じゃないかと
思うよ」
何気になく漏らされた情報に一瞬、思考が停止する。
(取っ手? 取っ手って何?
かき氷作るのに取っ手が必要なの?)
「ほー、涼介君も部品を生やしていたのですね」
「はい。正確には協力者が生やしたんですけどね」
みのりは平然と話を続ける涼介の顔をまじまじと見つめた。
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