Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
D
そっと頬を掻いていると、
碧がみのりの話に当然と言わんばかりの口調で答えてくる。
「僕は食べ物を食べる紅の姿を愛でることで忙しいですからね」
「兄妹愛ですねー」
なんて麗しいことなのだろう。
自分も努力すれば碧たち兄妹のような仲の良い兄弟として
やり直すことができるのだろうか。
「いやーそれほどでもー」
嬉しげに目を細める碧を見ながら小さく溜め息をついていると、
みのりの断固とした声が聞こえてきた。
「違うわよ。うん。絶対に違うから」
「何が?」
意味のわからない言葉に眉根を寄せて訊き返す。
「いや、えーと、ここで真実を教えてあげたほうがいいのかしら……
でもそれだと碧の変態っぷりが……」
みのりが唇に指をあてつつ、
意味不明なことをぶつぶつと呟きだした。
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