Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




D




 そっと頬を掻いていると、

碧がみのりの話に当然と言わんばかりの口調で答えてくる。

「僕は食べ物を食べる紅の姿を愛でることで忙しいですからね」

「兄妹愛ですねー」

 なんて麗しいことなのだろう。

自分も努力すれば碧たち兄妹のような仲の良い兄弟として

やり直すことができるのだろうか。

「いやーそれほどでもー」

 嬉しげに目を細める碧を見ながら小さく溜め息をついていると、

みのりの断固とした声が聞こえてきた。 

「違うわよ。うん。絶対に違うから」

「何が?」

 意味のわからない言葉に眉根を寄せて訊き返す。

「いや、えーと、ここで真実を教えてあげたほうがいいのかしら……

でもそれだと碧の変態っぷりが……」

 みのりが唇に指をあてつつ、

意味不明なことをぶつぶつと呟きだした。










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