Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
F
「ちょっとそれどういう意味よ!
私じゃ愛でるに値しないほどだって言いたいわけ!」
みのりは気まずそうに視線を逸らす涼介へ食ってかかった。
それを見て涼介はまずいと思ったのか、
手を激しく振り、新たな言葉を口にする。
「ち、違うよ! どっちかっていうと落ちつかなくな……
いや、なんでもないけど……」
「落ち着かないって……見るに堪えらないってこと……」
別に、顔に自信があるわけでないが、
そこまでひどいとは思っていなかった。
(お母様や雪姫様に似てるって言われてるのも
お世辞だったってこと……?)
幼い頃から今に至るまで、
年を重ねるたびに美しいと賞賛を受けている
母や雪姫様に似ていると言われ続けていた。
だからこそ自分の顔はそこそこ見られる顔だと思っていたのに。
それがただの社交辞令だったことがわかり、みのりは愕然とした。
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