Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




F




「ちょっとそれどういう意味よ!

私じゃ愛でるに値しないほどだって言いたいわけ!」


 みのりは気まずそうに視線を逸らす涼介へ食ってかかった。

それを見て涼介はまずいと思ったのか、

手を激しく振り、新たな言葉を口にする。


「ち、違うよ! どっちかっていうと落ちつかなくな……

いや、なんでもないけど……」

「落ち着かないって……見るに堪えらないってこと……」


 別に、顔に自信があるわけでないが、

そこまでひどいとは思っていなかった。


(お母様や雪姫様に似てるって言われてるのも

お世辞だったってこと……?)


 幼い頃から今に至るまで、

年を重ねるたびに美しいと賞賛を受けている

母や雪姫様に似ていると言われ続けていた。

だからこそ自分の顔はそこそこ見られる顔だと思っていたのに。

それがただの社交辞令だったことがわかり、みのりは愕然とした。










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