Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




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「ううん。いいわ、紅。可愛いから、それで許す」

 一人何度も頷いた後お茶に口をつけ、

おもむろに顔をあげてくる。

「じゃなくて、その太一君だっけ? そんな子とどこで知り合ったのよ」

 顔をひたと見据えてくるみのりの問いに、

涼介は記憶を巡らせた。

「鳴木九魔除(なりきくまの)神社の近くだったかな。

たまたまぶつかったんだ」

「たまたまぶつかったぁ?」

 事実を端的に告げただけなのに、またしてもみのりが声を裏返す。

「ああ。兄貴に電話しようとしてたら急に前からさ」

 涼介は首肯した。

確かにめったにあることではないかもしれないが、

本当のことなのだからしかたがない。

少しだけむっとして腕を組んでいると、

みのりの呟きが聞こえてきた。

「そんな偶然が……ううん。

そんなことより、なんでその子は種持ってたのかしら?」

 みのりの疑問に碧も頷く。

「そうですね。吉田という苗字は

梅八家でもなければそれに付随する分家でもないですしね」

 碧の発言に涼介は再度太一との会話を想起してみた。










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