Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
IB
「どういうことよ」
みのりは碧の言葉を訝しく思い、顔をしかめた。
「鹿さん」
しかしすぐあとに呟かれた紅の一言にハッとする。
「鹿の獣人ってことかい?」
「そう」
紅が首を傾げる涼介へコクリと首肯した。
確かに碧の言うとおり、黄金梅の種の入手は
簡単にできるのかもしれない。
脳裏に無理やり協力させた山波と彼によく似た性格の芽衣子、
その恋人である獣人の飛田の姿を思い浮かべる。
「そうね。山波さんは『梅の実を守る会』から入手したって
言っていたわ」
「うーん、彼らとは別口なような気がするんだけどなあ……」
「そういえば山波さんも一般の人だわ」
みのりは腕を組み唸る涼介を尻目に、思い出したことを口にした。
その言葉に涼介が反応する。
「誰だって?」
「山波さんよ。山波さん」
名前が聞こえなかったのかと思い、
再度教えると涼介の眉間にシワが寄った。
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