Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
IC
「いや、全然知らないんだけど……」
「それはそうよ。私だって今日初めて会ったんだもの」
「おいおい……」
みのりは呆れたように肩を落とす涼介を不思議に思いながらも
言葉を続けた。
「でもそれはあんただって同じでしょう?」
「いや、そりゃまあそうだけどさ……」
「それにちゃんと連絡先交換してるから大丈夫よ。
あんたは、その太一君の連絡先知ってるの?」
納得のいっていないような顔つきの涼介へ
たたみかけるように質問する。
「え? あ、ああ。知ってるけど?」
涼介が戸惑いながらも首を縦に振った。
これで彼の協力者に会える。相手は小学生だ。
小学生の願いなどたかが知れている。
わざわざ黄金梅を実らせて願うものでもないだろう。
彼らが発現させた『取っ手』を譲ってもらう交換条件として
自分が代わりに太一という少年の望みを叶えてやればいい。
(小学生の願いなんて
ゲームとかマンガが欲しいとかだろうしね)
みのりは順調に進んでいることに内心でほくそ笑んだ。
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