Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IC




「いや、全然知らないんだけど……」

「それはそうよ。私だって今日初めて会ったんだもの」

「おいおい……」


 みのりは呆れたように肩を落とす涼介を不思議に思いながらも

言葉を続けた。


「でもそれはあんただって同じでしょう?」

「いや、そりゃまあそうだけどさ……」

「それにちゃんと連絡先交換してるから大丈夫よ。

あんたは、その太一君の連絡先知ってるの?」


 納得のいっていないような顔つきの涼介へ

たたみかけるように質問する。


「え? あ、ああ。知ってるけど?」


 涼介が戸惑いながらも首を縦に振った。


 これで彼の協力者に会える。相手は小学生だ。

小学生の願いなどたかが知れている。

わざわざ黄金梅を実らせて願うものでもないだろう。

彼らが発現させた『取っ手』を譲ってもらう交換条件として

自分が代わりに太一という少年の望みを叶えてやればいい。


(小学生の願いなんて

ゲームとかマンガが欲しいとかだろうしね)


 みのりは順調に進んでいることに内心でほくそ笑んだ。










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