Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




D




「確かに未来はどうなるかわからないけど、こいつとだけは絶対ないわよ」

 つんとそっぽを向くみのりにむっとしていると、

運転席の碧が愉快げに告げてきた。

「おやおや、そんな粗野な言い方してよいのですかお嬢様?

仮面がはがれているようですけど?」

「うぐっ……」

 苦虫をかみつぶしたような顔をするみのりを前に、涼介は眉をひそめる。

嘗てこの少女が一度でも仮面なんてつけていることがあっただろうか。

『ロクな大人にならないからあ!』

 脳裏に嫌な言葉がこだまして腕を組む。

「こいつって言い方はないんじゃないかな? 一応年上なんだけど」

 思いだした過去に腹を立てながら嫌味を口にすると、

助手席の紅が微かに声を発した。

「そろそろ出発進行」

「そ、そうね紅。こんなところにいても仕方ないわ、碧車を進めなさい」

 こちらの発言をあっさりスルーして、みのりが碧に命令する。

「承りましたお嬢様。それでどちらへ向かえば?」

 うやうやしく尋ねてくる碧の言葉へ、みのりが目を点にした。










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