Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




G




「そういえば先ほど鍵を持っていると言っていましたよね?」


 碧の一言が一触即発だった空気を一蹴する。

みのりは涼介を睨みつけるのをやめ、彼を問いただした。


「そうよ、鍵よ。あんたも種を植えたんでしょう。

何を生やしたのよ?」

「あ、はい。

でも本当に鍵と言っていいのかわからないものなんですが……」


 しかし涼介はこちらの問いには応えず、碧へ顔を向ける。

碧から話しかけられたことが嬉しいのか、

涼介は照れくさそうに頬をかいた。


(この男も碧の外面に騙されている口なのね)


 碧の笑顔に騙され、彼のことを信望している人間は意外と多い。

涼介がどういった経緯で碧と親交を深めたのかは知らないが、

彼も碧の外面に引き寄せられた1人なのだろう。


(私を悪く言うことといい、

きっとこいつは人を見る目がないんだわ)


 その点だけを言えば雅秋のほうが年の功もあってか

見る目があるのかもしれない。


(まあ、あの人の場合は碧の外面以前の話かもしれないけど……)


 みのりは端から見てもわかるほど碧へ火花を散らしていた

雅秋のことを脳裏に浮かべ苦笑した。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析