Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
二
ID
もっと弄ってみたい。
違う表情を見てみたくてさらに意地の悪い質問をしようと口を開く。
だが、その声はすんでのところで碧に遮られた。
「お嬢様、また二手に分かれたましょう。
涼介君、すまないがお嬢様のことお願いします」
真剣な声で頼まれ涼介も姿勢を正す。
思ったより深刻な状態なのだろうか。
だとしたら、自分がやるべきことは決まっている。
「わかりました」
涼介は首肯し少しためらった後、碧へ問いかけた。
「あの、そんなに大がかりなことなんですか?」
「ええ、といってもそんなに気負わないでください」
僕たちが相手の気を引きますので涼介君たちはトニーズで待っていてください」
にこりと微笑まれ涼介は息をつく。
これ以上詮索しても無駄ということらしい。
「了解しました。じゃあいこうか、みのりさん」
声をかけドアを開けるとみのりが戸惑ったような声で応じてきた。
「え、ええ。碧、紅、ちゃんと迎えにきてね」
「もちろんですとも」
「はい」
涼介は別れを惜しむみのりより先に外へでて手をさしだす。
少女は少しためらった様子をみせたのち、優雅に手を添えてきた。
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