Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




@




「走っていくのかい?


中央区までいくのはきついと思うんだけど」

「仕方ないでしょう。それしか方法がないんだから。

ってあんた車乗れたりするの?」


 車が走り去りるや、訊いてきた涼介にみのりは呆れた声を出す。

それでも走らないで済む方法があるのかと尋ねてみれば、

涼介からなんの解決にもならない答えが返ってきた。


「一応乗れるけど、車は持ってないよ。残念ながら」

「じゃぁ、やっぱり走って行くしかないじゃない」


 追っ手がきているというのに余計なことを言い出さないで

もらいたい。

みのりはため息混じり言葉を返した。

それと同時に、トニーズまでの道順がわからないことに気づいた。


「それで、ここからトニーズってどのくらいかかるの?」

「走って行ったら裕に1時間はかかるよ」

「えっ! そ、そんなにかかるの?」


 そんなに遠くだとは思っていなかった。

裏の山を駆け回っていた小さい頃ならいざ知らず、

今は専ら車移動の多い自分が30分以上走り続けられる自信はない。

みのりはあまりの距離に愕然としながらも、

血の気の引いた顔を涼介のほうへ向けた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析