Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
D
「コーヒーだけ? そんなもったいない。せっかく来たのに……
あ、それならあなたがアイスクリームを頼みなさいよ。
私はこれにするから!」
抹茶アイス付のあんみつを指さしてくるみのりに、
涼介は手を左右に振る。
「いいって」
全力で否定するが、目の前のみのりは不満げだ。
涼介はみのりの様子に首をかしげ、彼女へ尋ねた。
「もしかしてそれが食べたいの? それなら半分ずつ交換するかい?」
「本当に! やったー。嬉しい。実はどちらにしようか悩んでたの」
みのりが前で手を組んで素直に喜ぶ。
(本当に、そんな食べたかったんだ……)
涼介は無邪気に笑顔を向けてくるみのりへ対し、
自分も頬をほころばせた。
「了解」
短く返事をしてボタンを押す。
するとまもなくして先ほどの女性店員が席へやってきた。
「お待たせいたしました。ご注文をお伺いいたします」
事務的な笑みを浮かべる店員に涼介は淡々と告げる。
涼介「バニラアイスと抹茶アイス付あんみつを一つずつと
あとコーヒー一つ。みのりさんは飲み物は?」
尋ねると、きちんと姿勢を正したみのりが口を開いた。
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