Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




H




「それはそうと、君、その話いったい誰から聞いたんだい?」

 涼介は店員が去っていったのを見計らい、みのりへ尋ねる。

みのりが当然と言わんばかりに頷いた。

「もちろん碧だけど?

私が知ってる一般的なことはほとんど彼からの受け売りなの」

「あ、碧さん……」

 いいかげんな碧の発言にずっこけそうになる。

「彼が言うことは当たってるけど一般的じゃあないような……」

 顎に手をやり黙考した。

だが、どう考えてもまともな答えが浮かばない。

(ま、まあ、碧さんのことだからきっと何か訳があるんだろう)

 結局涼介は1人納得をする。

「まあ、いいや」

 気を取り直してみのりへ微笑みかけると、みのりが目を見開いた。

「え、もしかして碧のやつ私に嘘を教えていたの?」

 身を乗り出して詰め寄ってくるみのりを前に、

たじたじになりながらどうにか言葉を捻りだす。

「嘘……は、言ってないよ、うん」

 気持ちを落ちつかせるためにコーヒーを手にとると、

視線を下向けたまますすった。










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