Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
H
「それはそうと、君、その話いったい誰から聞いたんだい?」
涼介は店員が去っていったのを見計らい、みのりへ尋ねる。
みのりが当然と言わんばかりに頷いた。
「もちろん碧だけど?
私が知ってる一般的なことはほとんど彼からの受け売りなの」
「あ、碧さん……」
いいかげんな碧の発言にずっこけそうになる。
「彼が言うことは当たってるけど一般的じゃあないような……」
顎に手をやり黙考した。
だが、どう考えてもまともな答えが浮かばない。
(ま、まあ、碧さんのことだからきっと何か訳があるんだろう)
結局涼介は1人納得をする。
「まあ、いいや」
気を取り直してみのりへ微笑みかけると、みのりが目を見開いた。
「え、もしかして碧のやつ私に嘘を教えていたの?」
身を乗り出して詰め寄ってくるみのりを前に、
たじたじになりながらどうにか言葉を捻りだす。
「嘘……は、言ってないよ、うん」
気持ちを落ちつかせるためにコーヒーを手にとると、
視線を下向けたまますすった。
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