Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IB




「あ、どうも」

「何か問題でもありましたか?」


 興味津々な顔で訊いてくる店員にみのりはいたたまれなくなる。

恥ずかしさに俯いている自分とは逆に、

涼介は平然と店員へ応対した。


「いえ、何も」

「そうですか。あ、お待たせいたしました。

アイスクリームのお客様」


 つまらないとでも言いたそうな店員の言い方に

内心で首を捻っていると、テーブルに硝子の器が置かれた。


(美味しそう)


 大福のくらいの大きさをした白い半円形が2つ。

頂上にはミントの葉があしらわれている。

みのりは記憶のままのアイスクリームに唾を飲み込んだ。


「どうも」


 みのりは、涼介の声に我に返る。


(あ、私が頼んだのはアイスクリームじゃなかったんだわ)


 みのりは食い入るように見ていたアイスから目を離し、

店員が手に持っている白い陶器を見つめた。










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