Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
IB
「あ、どうも」
「何か問題でもありましたか?」
興味津々な顔で訊いてくる店員にみのりはいたたまれなくなる。
恥ずかしさに俯いている自分とは逆に、
涼介は平然と店員へ応対した。
「いえ、何も」
「そうですか。あ、お待たせいたしました。
アイスクリームのお客様」
つまらないとでも言いたそうな店員の言い方に
内心で首を捻っていると、テーブルに硝子の器が置かれた。
(美味しそう)
大福のくらいの大きさをした白い半円形が2つ。
頂上にはミントの葉があしらわれている。
みのりは記憶のままのアイスクリームに唾を飲み込んだ。
「どうも」
みのりは、涼介の声に我に返る。
(あ、私が頼んだのはアイスクリームじゃなかったんだわ)
みのりは食い入るように見ていたアイスから目を離し、
店員が手に持っている白い陶器を見つめた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|