Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IC




 静かに置かれた小鉢の中には、

草餅大の抹茶アイスが重なるように2つ入っている。

周りには宝石のように

キラキラ光っている寒天や蜜豆が散らばっており、

その上を焦げ茶色の線が螺旋状に走っていた。


(キャー、やっぱりこっちにして正解だったかもー)

「以上でご注文の品は揃いになりましたでしょうか?」

「はい、どうもありがとう」

「注文書はこちらへ置かせていただきます。

清算する際レジまでお持ちください」


 失礼しますとどこか名残惜しげに店員が退場する。

だがみのりは、ご褒美を目の前に待てをさせられている

犬の気分だったため店員が去って行ってくれたことに安堵した。

やっと食べられる。そう思うと自然と顔が綻んだ。


「美味しそう! いっただきまーす」

「やっぱり笑うとかわいいんだけどなあ」

(何からたべようかなー)


 涼介がぼそりと何か呟いたようだが、

みのりはそれどころではなかった。


(やっぱりここは妥当な線でアイスからかしら?

でも寒天にアイスを絡めて一緒に食べるっていう手もあるわよね)


 まずはオーソドックスに抹茶のアイスのみを食べることにしよう。

みのりはスプーンで削るようにすくった緑を口に入れた。










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