Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
IC
静かに置かれた小鉢の中には、
草餅大の抹茶アイスが重なるように2つ入っている。
周りには宝石のように
キラキラ光っている寒天や蜜豆が散らばっており、
その上を焦げ茶色の線が螺旋状に走っていた。
(キャー、やっぱりこっちにして正解だったかもー)
「以上でご注文の品は揃いになりましたでしょうか?」
「はい、どうもありがとう」
「注文書はこちらへ置かせていただきます。
清算する際レジまでお持ちください」
失礼しますとどこか名残惜しげに店員が退場する。
だがみのりは、ご褒美を目の前に待てをさせられている
犬の気分だったため店員が去って行ってくれたことに安堵した。
やっと食べられる。そう思うと自然と顔が綻んだ。
「美味しそう! いっただきまーす」
「やっぱり笑うとかわいいんだけどなあ」
(何からたべようかなー)
涼介がぼそりと何か呟いたようだが、
みのりはそれどころではなかった。
(やっぱりここは妥当な線でアイスからかしら?
でも寒天にアイスを絡めて一緒に食べるっていう手もあるわよね)
まずはオーソドックスに抹茶のアイスのみを食べることにしよう。
みのりはスプーンで削るようにすくった緑を口に入れた。
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