Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




ID




「うーん、おいひぃ」


 ひんやりと口の中を甘くほろ苦いアイスが冷やす。

鼻腔を通り抜ける抹茶の香りにうっとりしてると

涼介が苦笑したのがわかった。


「全部食べないでくれよ、俺だってあんみつ食べたいんだからさ」

「わかってるわよ。そっちこそ私の分をちゃんと残しておいてね」


 小さい子供のような会話に可笑しくなる。

こんな軽口を叩ける相手なんて碧と紅くらいしかいなかったのに。


(やっぱりデザートの力ってすごいのね。

人を和ませる力があるんだもの)


 そうでなければ自分がこんなに素に近い状態で

話せるわけがない。


 みのりが一人頷きながらあんみつに舌鼓を打っていると

涼介が話を切り替えてきた。










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