Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
ID
「うーん、おいひぃ」
ひんやりと口の中を甘くほろ苦いアイスが冷やす。
鼻腔を通り抜ける抹茶の香りにうっとりしてると
涼介が苦笑したのがわかった。
「全部食べないでくれよ、俺だってあんみつ食べたいんだからさ」
「わかってるわよ。そっちこそ私の分をちゃんと残しておいてね」
小さい子供のような会話に可笑しくなる。
こんな軽口を叩ける相手なんて碧と紅くらいしかいなかったのに。
(やっぱりデザートの力ってすごいのね。
人を和ませる力があるんだもの)
そうでなければ自分がこんなに素に近い状態で
話せるわけがない。
みのりが一人頷きながらあんみつに舌鼓を打っていると
涼介が話を切り替えてきた。
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