Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
IE
「はいはい。そういえばみのりさん、
君が生やした種ってどんなやつなんだい?」
真面目な顔つきでこちらを見てくる涼介に
みのりは持っていたスプーンをナプキンの上へ置いた。
「それが普通なの。見てよ」
ポケットからティッシュに包まれた梅の種を取り出し、
涼介へ見せる。
ティッシュを広げると、
涼介がスプーンを持ったまま身を乗り出してきた。
「どれどれ」
「最初のはちょっと変わったものだったのに、
2度目のが普通過ぎて逆に大丈夫なのか心配なのよね」
「ふーむ……本当に普通の種っぽいけど……」
涼介が種を手にしようとスプーンを持っている手を伸ばす。
「あ!」
「キャッ、冷た! ちょっと、何するのよ」
スプーンに残っていたアイスが溶けたのか、
甘い香りとともに冷たい水分が頬へ当たった。
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