Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IG




「美味でマロー」

「ええ?!」

 現れたのは水色の髪をした白くて小さな人形だった。

(な、なんで人形がしゃべるんだ?)

音声内蔵の人形なのだろうか。手を伸ばしかけると、

人形がくるりとこちらを向いた。

「そなたか? わらわにこの美味なるものをかけたのは?」

 睨み据えてくる人形を前に驚きつつ、涼介は頷く。

「あ、ああ。そうだけど……」

 答えながら人形を観察する。

水色の長い髪に青い瞳。

真っ白な着物からはさらに白い手が伸びている。

ふくふくとした大福のような顔かたちでなければ、

そのまま雪姫のような出で立ちだ。

どうしたものかと戸惑っていると、みのりが袖を引っ張ってきた。

「え、ちょっと何事?」

「俺にも何がなんだか……」

正直に答えるその前で、人形が口を開く。

「わらわは、先ほどの美味なるものを所望するマロー」

 手を差しだしてくる人形へ、

手に持っていたアイスクリームを掲げてみせた。










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