Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IH




「美味なるものって、これ?」

 尋ねながらおそるおそるアイスクリームを口に持っていくと、

人形が首肯する。

「マロマロ。そうだと言ってるマロ」

 満足そうにスプーンを舐めている人形を見つめ、

みのりが訊いてきた。

「なんなの、この小さい子?」

「君が持ってきた種から出てきたんだろう!」

 あまりにのんびりした問いに涼介はつい声を荒らげると、

みのりが睨んでくる。

「あんたがアイスをかけるまでは普通の種だったわよ」

 嫌味な言葉にむっとしているのをよそに、

人形が溜め息を吐いた。

「美味でマロー」

 ほっぺに手をあて腰を振る。

「か、可愛い!!」

 みのりが人形の仕草に歓喜するのを尻目に、

涼介は先ほどからの疑問を口にした。










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