Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
IH
「美味なるものって、これ?」
尋ねながらおそるおそるアイスクリームを口に持っていくと、
人形が首肯する。
「マロマロ。そうだと言ってるマロ」
満足そうにスプーンを舐めている人形を見つめ、
みのりが訊いてきた。
「なんなの、この小さい子?」
「君が持ってきた種から出てきたんだろう!」
あまりにのんびりした問いに涼介はつい声を荒らげると、
みのりが睨んでくる。
「あんたがアイスをかけるまでは普通の種だったわよ」
嫌味な言葉にむっとしているのをよそに、
人形が溜め息を吐いた。
「美味でマロー」
ほっぺに手をあて腰を振る。
「か、可愛い!!」
みのりが人形の仕草に歓喜するのを尻目に、
涼介は先ほどからの疑問を口にした。
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