Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
II
「なんか、ちっちゃい雪姫みたいなんだよなあ、この子」
「確かに……」
ぽそりと呟いた言葉にみのりが同意してくる。
涼介はさらに話を続けようとしたが、
一瞬早く人形のほうがかくりと首をかしげてきた。
「わらわの名を呼んだマロ?」
人形の問いかけに涼介は目を見開く。
「え? 君、雪姫……なの?」
驚きのあまり間の抜けた声で尋ねると、人形はこくりと頷いた。
「マロマロ。わらわは雪姫マロよ」
「えー! どういうことよ?」
みのりが目をしばたたきながら視線を向けてくる。
それを訊きたいのは自分のほうだ。
「俺にわかるわけないだろ」
動揺を隠すのも忘れみのりへ答えると、
雪姫と名乗った人形がみのりを認めた。
「ん? そなた梅宮マロ?」
雪姫がちょこちょことみのりに近づいていく。
みのりは手を差し伸べてくる雪姫に戸惑った様子で小さく頷いた。
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