Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




II




「なんか、ちっちゃい雪姫みたいなんだよなあ、この子」

「確かに……」

 ぽそりと呟いた言葉にみのりが同意してくる。

涼介はさらに話を続けようとしたが、

一瞬早く人形のほうがかくりと首をかしげてきた。

「わらわの名を呼んだマロ?」

 人形の問いかけに涼介は目を見開く。

「え? 君、雪姫……なの?」

 驚きのあまり間の抜けた声で尋ねると、人形はこくりと頷いた。

「マロマロ。わらわは雪姫マロよ」

「えー! どういうことよ?」

 みのりが目をしばたたきながら視線を向けてくる。

それを訊きたいのは自分のほうだ。

「俺にわかるわけないだろ」

 動揺を隠すのも忘れみのりへ答えると、

雪姫と名乗った人形がみのりを認めた。

「ん? そなた梅宮マロ?」

 雪姫がちょこちょことみのりに近づいていく。

みのりは手を差し伸べてくる雪姫に戸惑った様子で小さく頷いた。










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