Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
II@
「そ、そうだ……ですけど……」
ちょこちょこと近づいてきた雪姫に似た小さな人形に、
みのりはうろたえながらもなんとか返答する。
(これって本物の雪姫様なの?)
信じられない光景に瞠目するこちらとは反対に小人、雪姫が
のほほんとした笑みを浮かべた。
「そうかー、ならそなたはわらわの孫マロ。
孫、わらわは美味なるものを所望するマロ」
「はっ? え、ちょっと口を開けないで……
ってっちょっと黙って見てないで助けなさいよ」
行儀よく正座したかと思えば、雪姫はあーんと、
雛鳥が餌を待つように口を大きく開ける。
みのりはどうすればいいのかと、傍観している涼介へ詰め寄った。
「いや、なんかすげー和む光景だなーと思って……」
「確かに可愛くて和んじゃう気持ちはわかるけどー」
「とりあえず、このアイスあげてみたらどうだい?」
涼介が食べていたアイスを指差す。
その言葉に反応したのか、
あるいは口を開けても一向に入ってこないことに
しびれを切らしたのか雪姫が騒ぎ始めた。
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