Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




II@




「そ、そうだ……ですけど……」


 ちょこちょこと近づいてきた雪姫に似た小さな人形に、

みのりはうろたえながらもなんとか返答する。


(これって本物の雪姫様なの?)


 信じられない光景に瞠目するこちらとは反対に小人、雪姫が

のほほんとした笑みを浮かべた。


「そうかー、ならそなたはわらわの孫マロ。

孫、わらわは美味なるものを所望するマロ」

「はっ? え、ちょっと口を開けないで……

ってっちょっと黙って見てないで助けなさいよ」


 行儀よく正座したかと思えば、雪姫はあーんと、

雛鳥が餌を待つように口を大きく開ける。

みのりはどうすればいいのかと、傍観している涼介へ詰め寄った。


「いや、なんかすげー和む光景だなーと思って……」

「確かに可愛くて和んじゃう気持ちはわかるけどー」

「とりあえず、このアイスあげてみたらどうだい?」


 涼介が食べていたアイスを指差す。

その言葉に反応したのか、

あるいは口を開けても一向に入ってこないことに

しびれを切らしたのか雪姫が騒ぎ始めた。










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