Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
五
G
走り始めて見えてきたコンビニの前に、見覚えのある車があった。
「あ、碧の車だわ」
呟き駆け寄るみのりについていくと、
運転席から碧がでてきて彼女を出迎える。
「お嬢様、涼介君。ご無事で何よりです」
「お嬢さま」
遅れてでてきた紅とともに一礼する碧へ、涼介は慌てて一礼した。
「そちらこそ。本当にお疲れ様です」
「碧、紅。あなたたちも無事でよかった。うまく撒けたのね」
顔をあげるその横ではみのりが微笑みとともに2人を労っている。
「僕としてはもう少し紅と一緒にドライブをしてもよかったのですがね」
肩をすくめておどけてくる碧の言葉に、涼介は胸を突かれた。
「妹さん思いなんですねえ」
なんて微笑ましい兄妹愛だろう。
しみじみ告げると 碧がいやー、と口元を綻ばせながら謙遜してきた。
「そんなことはないんですよ」
奥ゆかしい物言いにますます感心してしまう。
涼介は碧の笑顔をまぶしく見つめた。
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