Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
一
G
「一人で見つけたのもあれば、そうでないのもあります。
そもそも誰かさんが勝手にポケットへ入れた種でしたし」
嫌味を込めて雅秋へ視線を向けると雅秋が軽く腕を組んでくる。
「信用できる人間に持っておいてもらったほうがいいと思ったからだよ」
「……だ、そうです」
まったく信用できない兄の答えを受けて碧を見ると、
碧が小さく頷いた。
「まぁ、最初の切欠はそんなものだろうと思っていましたよ」
なぜか楽しげに告げられ戸惑っていると、
碧が人差し指を立ててくる。
「つまり涼介君には他に協力者がいるというわけですね」
確認してくる碧へ涼介は首肯した。
「あ、はい。でも、別に俺が持ってなくても、
もう一つの鍵は彼が持っているから問題ないと思います」
端的ではあるが事実を正直に告げると、碧がしばし沈黙する。
(俺、なんか変なこと言ったかな……)
彼が何を考えているのか皆目見当がつかないまま佇んでいると、
短い黙考のあと碧がおもむろに口を開いた。
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