Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IC




「氷ー、しくしく」

 涼介はまたしても泣きだしてしまった雪姫へ声をかける。

「雪姫様、どんな感じの氷がいいんですか?」

「わらわは、氷の、ひっく山を所望するマロ」

 大粒の涙を拭きふき答えてくる雪姫の言に、

みのりが眉根を寄せた。

「氷の山?」

「スキー場とかですか?」

 運転席の碧が口を開くと、みのりがかぶりを振る。

「スキー場なんて黄梅にはないから無理よ」

 涼介は腕を組み考えた。

「氷の山、氷の山……。山で食べるものって言ったらかき氷だよな」

 呟くと、助手席の紅が呟く。

「かき氷……おいしそう」

「紅! 僕と一緒にかき氷も食べにいきましょうね」

 歓喜しきった碧の言葉にみのりが反応した。

「かき氷……あっ! もしかして」

 みのりが鞄をごそごそとしはじめる。

「かき氷なんてまだ売ってるところないよなあ……って、ん?」

 何気なくみのりの様子を見つめていた涼介は、

取りだされた金具を見て目を瞠る。

軽い興奮とともにみのりを見やると、

顔をあげた彼女と目が合った。










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